エアコンをつけっぱなしで寝ると風邪をひくといいますが、風邪をひかないためには、何をするべきでしょうか?

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「エアコンをつけっぱなしで寝ると風邪をひく」とよく言われますが、例えば、夏の夜、熱中症を防ぐためにエアコンを使うことは大切です。もっとも、涼しさを追求するあまり体調を崩してしまっては本末転倒です。 本記事では、快適な睡眠と健康を両立させるために、エアコンの使い方や、風邪予防策について解説します。

就寝時はエアコンをつけっぱなしにするのがおすすめ

人間の体は、睡眠中に体温を放熱する働きがあり、特に汗をかいていると体温が奪われやすくなります。そのため、エアコンをつけっぱなしで寝ると体が冷えすぎてしまうのです。
体温が極端に下がると血行が悪くなり、むくみや浅い眠りを引き起こし、結果的に疲れが取れず朝にだるさを感じたり風邪をひきやすくなったりすることがあります。しかし、エアコンを使わずに我慢するのはおすすめできません。
総務省が公表した「令和3年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」によれば、熱中症の約39.4%は「住居内」で発生しているため、夜間の熱中症対策として、就寝中もエアコンを適切に使う必要があります。暑い日には無理せずエアコンを使い、快適な睡眠環境を整えましょう。
三菱電機の比較実験によると、エアコンを「一晩中つけっぱなしにする場合」と「オンとオフを繰り返す場合」では、後者の方がわずかに積算消費電力量は少ないという結果が得られました。
しかし、エアコンを切ると室温が1.5℃~2.5℃上昇するため、これが睡眠の質に影響を与える可能性があることも分かっています。そのため、エアコンはつけっぱなしにしておく方が望ましいといえます。
 

風邪予防のため夏のエアコン使用時に気をつけたいポイント

夏にエアコンを使う際に気をつけるべきポイントは以下の通りです。

●設定温度は26~28℃に設定
●風が直接あたらないように調整
●羽毛の肌掛け布団を使用する

夏風邪を防ぐためには「体を冷やしすぎないこと」と「エアコンの風が直接あたらないようにすること」が重要です。体感温度には個人差があるものの、エアコンの設定温度は26~28℃が望ましいでしょう。
人間は体温が下がると眠くなる傾向があります。そのため、寝る前にお風呂で体を温め、エアコンの効いた涼しい部屋に入ることで、自然と脳が眠りにつきやすい状態を作ることが可能です。
また、涼しい室内で羽毛の肌掛け布団を使うのも効果的です。適度な室温にエアコンを設定し、羽毛の肌掛け布団を使用することで体が冷えすぎるのを防ぐことができます。
 

エアコンの電気代

ここでは、就寝時のエアコンの電気代を計算してみましょう。エアコンの電気代は以下の計算式で求めることができます。
・1時間あたりの電気代=消費電力(W)÷1000×電気料金単価(円/kWh)
エアコンの消費電力は機種によって異なるため、実際に使用している機種のスペックはカタログや取扱説明書で確認する必要があります。ここでは消費電力が1000Wのエアコンとして電気代を計算してみましょう。
電気料金単価としては、全国家庭電気製品公正取引協議会が定めている31円(2022年7月改定)を使用します。消費電力が1000Wのエアコンの場合、1時間あたりの電気代は以下の通りです。
・1000(W) ÷1000×31(円/kWh)=31円
以上のことから、消費電力が1000Wのエアコンを就寝中の8時間つけっぱなしにした場合は、合計で248円の電気代がかかることが分かりました。
 

エアコンの電気代を抑えるテクニック

エアコンの使用時には、扇風機やサーキュレーターを併用することをおすすめします。空気の性質として、暖かい空気は部屋の上部に、冷たい空気は下部に集まってしまうため、エアコンを使うだけでは、部屋の中で温度差が生じ、異なる温度の空気の層に分かれることになってしまうのです。
さらに、エアコンの多くは上部に設置されているため、上部にたまった暖かい空気を感知して冷やし続けてしまいます。扇風機やサーキュレーターを使い、空気を循環させて部屋全体の温度をならすことは、電力の節約にもつながるというわけです。
 

エアコンは熱中症予防に欠かせないため、風邪を予防するための工夫が必要

夏の夜にエアコンをつけっぱなしで寝ると風邪をひくのではないかと心配になるかもしれませんが、熱中症のリスクを考慮すると、エアコンの使用は欠かせません。
もっとも、エアコンの使用方法を工夫することで風邪を予防することは可能です。快適な睡眠と健康を両立させるためにも、適切な温度設定や、体の冷えすぎを防ぐ対策を行いましょう。
 

出典

総務省 令和3年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況
全国家庭電気製品公正取引協議会 よくある質問 Q&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー