匿名通信システムを開発する「Tor Project」と、プライバシー特化OSを開発する「Tails」のプロジェクト運営が統合されることが明らかになりました。TailsはTor Projectの傘下に入り、OSの開発は今後も続けていくとのことです。

Uniting for Internet Freedom: Tor Project & Tails Join Forces | The Tor Project

https://blog.torproject.org/tor-tails-join-forces/

Tails - Uniting for Internet Freedom: Tor Project & Tails Join Forces

https://tails.net/news/tails_tor/

Tor Projectは匿名通信システム「Tor」やTorを用いたウェブブラウジングが可能な「Tor Browser」などを開発する非営利団体です。

Tor Project | オンラインでの匿名性を実現

https://www.torproject.org/ja/



Tailsはプライバシー特化OS「Tails」を開発する団体です。TailsはDebianベースのLinuxディストリビューションで、ブラウジングだけでなくOS上で実行されるすべてのインターネット接続をTorで匿名化できます。また、TailsはUSBブートを念頭に開発されており、シャットダウン時にすべての操作履歴が削除されるようになっています。

Tails

https://tails.net/index.en.html



両団体の声明によると、運営の統合はTails側から提案したものとのこと。Tailsは技術的な部分ではなく資金調達や人事といった事務的な部分に課題を抱えていましたが、Tor Projectの傘下に入ることで事務的な作業のコストが緩和され、技術分野の開発に注力できるとしています。





なお、2024年9月にはドイツ連邦刑事庁が「Torを介して児童ポルノサイトを運営していたユーザー」の特定に成功したことが報じられました。この報道を受けてユーザーからは「Torの匿名性が脅かされているのではないか」という懸念の声が挙がりましたが、Tor Projectは「ユーザーが特定された原因は『Torを用いるメッセージアプリの旧バージョン』を使用していたことにある」「Torは引き続き安全かつ匿名のウェブアクセスを提供している」とする声明を発表しています。

「Torは依然として安全」とTor Projectが主張 - GIGAZINE