9月27日に行われた自民党の総裁選挙。決選投票で石破茂氏は215票(国会議員票189、地方票26)を獲得。194票(国会議員票173、地方票21)だった高市早苗氏をおさえ、新たな総裁に選出された。

「石破さんはこれまで常に自民党の“主流派”と一定の距離を置き、ときには舌鋒鋭く自民党の現状を批判してきました。裏金問題で揺れる自民党を浄化してくれるのではないかという期待があるのは間違いないでしょう。今回の総裁選は、『アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想』や『日米地位協定の改定』などかなりアグレッシブな内容も含まれています。また、岸田首相のぶち挙げた“貯蓄から投資へ”という流れに水をさしかねない、金融所得課税の強化も訴えており、こちらも摩擦を生むかもしれません」(政治部記者)

 石破氏は、10月1日召集の臨時国会で第102代首相に選ばれることになるが、早期解散を主張しており、そもそも政策を実現するためには総選挙で勝つ必要もある。前途多難な幕開けとなるが、今回の“勝利”を誰よりも喜んでいる人たちがいる。

「石破さんといえば、喫煙者。これまでもたばこ税について数々の提言をしてきた人なので、喫煙所が増えてほしいです」(30代男性)

「健康増進法が改定されたせいで、たばこを吸おうにも、吸える場所すらない。たばこの値段が値上がり続け、かなりの税金を払っているはずなのに辛い。石破さんにはぜひ喫煙所を整備してほしい」(50代男性)

 実際、石破氏は「自民党たばこ議員連盟」の副会長を務めており、愛煙家として知られる人物だ。本誌が2021年にインタビューした際には、たばこ税の使い道にも言及している。石破氏は、

「自分が納めた税金がどう使われているか知るのも、納税者の権利です」と強調したうえで、

「たばこ税は収入の一部は、旧国鉄の債務処理などに充てられています。なぜ、愛煙家が納めた税金で旧国鉄の借金を返さなきゃいかんのか。使い道がよくわからない例のひとつといえるでしょう」

 とコメント。そのうえで、たばこ税の使い道について

「街中にある喫煙スペースの整備に充てるという使い道はどうでしょうか。人様に迷惑をかけないようなたばこの吸い方ができる施設の設備にたばこ税をつかうんです。残念なことに、議員会館の事務所内で喫煙した議員のことが報じられたりもしましたが、世間の多くの喫煙者には“とにかく人に迷惑をかけちゃいけない”というコンセンサスが出来上がっていると思います。

 その気持も踏まえて、たばこを吸わない人たちが迷惑しないように、飲食店や公共交通機関の分煙施設の整備にたばこ税を充てるならば、みんなが納得できるんじゃないでしょうか」

 と語っているのだ。

「とくにコロナ禍の際には喫煙所が次々と閉鎖され、駐車場や路上での喫煙やポイ捨てが問題視されました。たばこを吸う人と吸わない人が共存するためには、こうした喫煙所をしっかり整備することが大事なのはいわずもがな。喫煙人口が減りゆくなかで、税金だけ取られ、吸う場所も奪われた喫煙者にとって、“石破新総裁”はまさに救世主なのではないでしょうか」(社会部記者)

“公約”は果たされるのかーー。