異例「スマホ禁止」も 会場の議員は… 異例ずくめの総裁選 決着のウラ

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自民党は27日午後、総裁選挙の投開票を行いました。
事実上の次の首相となる自民党の新たな総裁に選ばれたのは石破茂氏。挑戦5回目で悲願達成です。

三つどもえの戦いの決着の裏に何があったのか、カメラが追いました。

異例ずくめの総裁選では、投票日の27日も異例のルールが呼びかけられました。
投票直前に議員たちが険しい表情で見ていた携帯やスマホの使用自粛を初めて求めたのです。

上位2人の候補による決選投票が決まった直後、両陣営や決戦に残れなかった陣営の間で、スマホのメッセージなどを使い、最後の“票の奪い合い”や“誰に乗るか”が起きることが予想されていました。

そのため、“開かれた投票”を呼びかける党側が、投票は議員個人の判断で決めてもらうため、会場での“スマホ自粛”を呼びかけたのです。

にもかかわらず、1回目の投票の集計中スマホを見る議員の姿が。

画面に映っていたのは、党員票の数字。
上位2人が高市氏と石破氏であることを隣の議員にこっそり見せていました。

さらに、2列前では堂々と電話をかける議員。
隣の議員から注意されていました。
そして、メモ帳に票数を書き込んでいる議員もいました。

集計中には、「委員長、早くやってくださいよ!みんな選挙区で仕事があるんだから!」というヤジが。

注目を集めた1回目の投票結果。

1位は地方票トップの高市氏で、2位が石破氏。

総裁選に初挑戦した小泉氏は3位で決選投票に進むことはできませんでした。
その目には涙が光っているように見えます。

そして、決選投票直前にも新たなルールが。
上位2候補がスピーチし支持を訴えました。

実は自民党総裁選では、これも異例。

石破茂氏(決選投票前):
もう一度、一人一人に笑顔が戻ってくる、そういう日本を必ずつくってまいります。

高市早苗氏(決選投票前):
いろんなものから命を守れる日本列島を一緒につくって、次の世代に受け渡していこうじゃないですか。

1回目の投票で敗れた陣営は、決選で誰に投票するのか。
この段階では、スマホを使う議員は映像を見る限りいませんでした。

その一方で、投票に向かう岸田首相が若手議員に笑顔で声をかける場面も。

党内唯一の派閥・麻生派の麻生副総裁は、険しい表情で投票したあと、なぜかニコリ。
さらに席に戻ると、隣の岸田首相と笑顔で話し込む様子もありました。

投票先のすり合わせはあったのでしょうか。現場で取材していた記者は…。

総裁選を現場で取材 フジテレビ政治部・阿部桃子記者:
ジェスチャーやスマートフォンを使って意思疎通している様子は見られなかった。取材をしていても、昨夜から今朝にかけて旧派閥を中心に“この場合はこの人に投票しよう”と事前にすり合わせていたようでした。

自民党トップとなった石破氏。
第102代の総理大臣として、石破政権誕生へと動き出します。