たった7分で退場となったドラグシン(左)。(C)TOSHI TAKEYA(SOCCER DIGEST)

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 欧州の舞台での開幕戦で、開始早々にミスからチームを窮地に追いやってしまえば、批判にさらされるのは避けられないだろう。

 トッテナムのラドゥ・ドラグシンは9月26日、ヨーロッパリーグ(EL)リーグフェーズ第1節のカラバフ戦で序盤に退場となった。サポーターからは怒りの声が上がっている。英紙『Daily Mail』が伝えた。

 ドラグシンはトッテナムが攻撃していた開始7分、センターサークルで味方のパスを受ける際、相手のプレスを受けてボールをロスト。あわてて相手を倒してしまい、決定機阻止で一発退場となった。スタジアムは騒然とし、アンジェ・ポステコグルー監督も信じられないといった表情で首を振る。

 このプレーで、ドラグシンはSNSでファンからこき下ろされた。

「ドラグシン、あれはひどい守備だ」
「こちらに不満はない。あれはドラグシンがバカ」
「ドラグシンが抜かれてすぐにレッドだと分かった。明確な攻撃を止めたんだ。主審の判定は正しい。ゴールに向かわせるべきだったんだ」
【動画】トッテナムDFが開始7分でまさかのレッド
 立ち上がりだっただけに、たとえ絶好機を許し、失点することになったとしても、チームが10人になるのを回避すべきとの考え方はあるだろう。実際、守備陣をひとり欠いたトッテナムは、ルーカス・ベリバルを下げてデスティニー・ウドギーを投入しなければならなかった。

 ただ、トッテナムにとって幸いだったのは、この苦境でチームが奮起したことだ。交代直後にブレナン・ジョンソンが先制点をあげると、後半にも2ゴール。数的不利の中で3−0と勝利をもぎ取った。

 結果が出たとあり、ポステコグルーは「本当にゆっくりと試合を始めてしまった結果だ。素晴らしい出だしではなかった。本当に消極的なパスだった」と、チーム全体としての課題に言及している(クラブ公式ウェブサイトより)。

「試合開始が遅れたことが影響したか分からないが、言い訳は無用だ。自滅のようになり、不運にもラドゥとルーカスがその大きな代償を払うことになった。チームとして望んだような、必要としていたスタートにできず、難しくしてしまったんだ。それに対する反応が素晴らしかったのは間違いない。だが、ああいう立場になったのは残念だった」

22歳のドラグシンは、この経験を生かせるか。トッテナムのサポーターはそう願っているだろう。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部