「ラグビーポーズと言われれば…コレですね」と両腕を組み笑顔の福岡氏と、中谷アナウンサー(カメラ・筒井 政也)

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 日本テレビ系情報番組「ウェークアップ」(土曜・前8時)が読売テレビ・中谷しのぶアナウンサー(36)の単独MCとなって6か月が経過した。能登半島地震の継続取材などで「これまで以上に言葉一つに神経を研ぎ澄ませた半年でした」と述懐。週替わりパートナーで出演するラグビー元日本代表の現役医大生・福岡堅樹氏(32)は「多角的に物事を見て、自分の思い、経験をどう乗せられるか。学びを得られる好機」と、異色のトライを推進力に変えている。(筒井 政也)

 「世界はずっと、起きている。」を旗印に、社会の現在を分析し、未来を模索する。土曜朝の生放送では随一の社会派番組。きょう27日は自民党総裁選の投開票日だ。

 中谷「11月には米大統領選も。政治が大きく動く局面。誰に未来を託し、自分たちの暮らし、平和をどう守るのか。しっかり見つめたい」

 福岡氏は順天堂大医学部4年。26年春の卒業後は医師の道へ進む予定だ。

 福岡「医療界も、働き方や地域・診療科の偏在など、うまくいっていない部分も。政治的に注視したいし、番組で発信力をいただいているので、少しでも貢献を」

 福岡氏は昨年、ラグビーW杯の解説でゲストに招かれた縁で、レギュラーの一員に加わった。

 福岡「中谷さんはラグビーポジションなら指揮官で、キャプテンに近い10番のスタンドオフ。監督・スタッフが決めたものを実行し、現場で指揮をうまく振りながら、状況に応じてコントロール。ゲーム理解度No.1でないとできません」

 中谷「私たち『10』チャンネルなんです(笑い)。でも、指揮、できているかな? 頑張ります!」

 福岡氏は現役時代、トライを狙うウィングだった。ラグビーの精神「One for all All for one」は番組でも常に意識している。

 福岡「ウィングは一番外から冷静に、盤面を俯瞰(ふかん)してサポートする側。ラグビーは自分の役割を遂行することで、チームがやりたいことを確立していく。仲間を信頼して任せる関係ができれば、どの社会も必ずいい方向に向くはず」

 中谷「福岡さんは意図をくみ取って、自分のやりたいことをバランスよく発揮される、頭の回転が速い方。パートナーには、その方だからこその発信をいただきたくて。例えば福岡さんなら経験を生かした熱中症対策、災害時の心のケアなど。五輪の審判への誹謗(ひぼう)中傷では、『審判批判は選手を育てることにつながらない』と提言をいただいた。各回、キラリと光るものが番組のカラーになるのでは」

 来年は大阪・関西万博(4〜10月)が開催される一方、阪神・淡路大震災から丸30年でもある。兵庫出身の中谷アナも6歳で異変を体感した。

 中谷「祖父母の家で、私に覆いかぶさった母が倒れたタンスの下敷きに。けがだけで済みましたが…。地震の取材を通して感じるのは『後悔』。能登でも、逃げた場所によって生死が分かれた。報道にできることは、一人でも多くの命を救うこと、後悔をしてほしくない、それに尽きますね」

 万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。ただ、いくら技術が進んでも、使い手は人間だ。福岡氏は医師だった祖父、高校時代に両ひざの手術を託した執刀医の「人間的な器」に憧れて、第二の人生を選んだ。

 福岡「万病を治すすご腕よりも、患者さんの心に寄り添う。自分の生活よりも、全体を優先できるような人に。どの科に進むかは、実習で変わる可能性もあるので明言はしていません」

 中谷「福岡さんなら病院に並んでも行きます。将来の予約って取れますか?」

 福岡「もちろんですが、健康第一。できれば来ないでいただきたいですね(笑い)」

 ◆中谷 しのぶ(なかたに・しのぶ)兵庫県西宮市出身。36歳。同志社大文学部卒業後、11年に読売テレビ入社。13年から出演し、17年からメインMCを務める「かんさい情報ネットten.」(月〜金曜・後4時45分)は火水金曜を担当する。

 ◆福岡 堅樹(ふくおか・けんき)1992年9月7日生まれ。32歳。福岡県古賀市出身。福岡高から1浪し、筑波大を経てパナソニック入り。15、19年W杯に出場。21年に順天堂大医学部に合格し、同年、パナソニックを5年ぶりのリーグVに導いて引退した。

中谷アナが紹介する他の週替わりパートナー

 ◆山崎 怜奈(27=元乃木坂46)「鋭い視点で常に疑問を持ち続ける努力家で、どんな舞台でも決して物おじしない、しなやかな強さが光ります(28日出演)」

 ◆秋元 里奈氏(33=農業支援ベンチャー「ビビッドガーデン」CEO)「確かな行動力で幅広い人脈を築き、静かだけれどもアツい心で夢を実現していく情熱的な人」

 ◆安部 敏樹氏(37=社会課題に取り組む一般社団法人「リディラバ」代表)「どんな相手でも分け隔てなく対等で、ありのままの自由を大切にしながらも仲間を思いやる優しい方」