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 ◇ナ・リーグ ドジャース4―3パドレス(2024年9月25日 ロサンゼルス)

 ついに王手だ!ドジャースの大谷翔平投手(30)は25日(日本時間26日)、パドレス戦に「1番・DH」で出場し、2安打2打点で勝利に貢献。決勝打を放った6回は二盗も決めて56盗塁とし、01年イチロー(マリナーズ)の日本選手最多記録に並んだ。チームは2位との直接対決3連戦を1勝1敗に戻し、優勝マジック2が再点灯。26日(同27日)も勝利すればチーム3年連続、大谷にとってはメジャー7年目で初の地区優勝が決まる。

 珍しく、感慨にふけった。01年のイチロー(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)に並ぶ、日本選手最多の56盗塁。ドジャース・大谷は「もちろん憧れの選手で、数が並んだからといって変わることはない」と尊敬の念を込めた。

 決勝の中前打を放った6回。一塁走者で続くベッツの打席の4球目にスタートした。23年球宴MVP捕手のディアスは投げることもできず、スライディングも必要なかった。33回連続成功で、成功率は93・3%。個人記録のためでなく、チームの勝利のための盗塁であることを物語る。

 野球を始めた小学2年生からイチローは憧れの存在。メジャー移籍前から親交を深め、エンゼルス時代の1年目で不振に苦しんだ18年の開幕前にはバット1本を持って同氏の自宅を訪れ、助言も受けた。イチロー氏は19年3月の引退会見で「投手として20勝する年があって、その翌年に50本打ってMVPを獲ったら化け物ですよ」と語ったが、現在、53本塁打、56盗塁。予言通りの活躍を見せている。

 通算243盗塁を誇る沖縄生まれのデーブ・ロバーツ監督も、大谷の節目の記録に「イチローの足の速さや盗塁の名手だったことを考えると(記録に並んだのは)驚き」と目を丸くする。「引き続き、チームの勝ちのために走るところは走りたい」と大谷。スタンスは変わらない。勝利のために先の塁を狙う。(柳原 直之)