記者会見の冒頭で頭を下げる兵庫県の斎藤知事(左)(26日午後、神戸市中央区で)=飯島啓太撮影

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 日本維新の会は斎藤元彦兵庫県知事の失職に伴う出直し知事選に、独自候補の擁立を目指す考えだ。

 斎藤氏のパワハラ疑惑を巡る内部告発問題で党への逆風が強まる中、再選出馬を目指す斎藤氏に厳しい姿勢を示すことで批判をかわしたいとの思惑がある。

 馬場代表は26日の記者会見で「兵庫県総支部と協議し、対応を判断していかなければならない」と述べた。「候補をきちんと決めたほうがいい」(県総支部代表の片山大介参院議員)として、既に名前が挙がる地元選出の国会議員らから候補者選定を急ぐ構えだ。

 同党が知事選で推薦した斎藤氏に対抗馬を立てるのは、告発問題への対応が後手に回り、党幹部が擁護していると受け取られたためだ。千葉市議による請願文書の不正作成や、衆院京都4区支部長の事務所スタッフがライバル陣営に偽名で出入りしていたことなど、不祥事も相次いで明るみに出ており、知事選を事態打開の糸口にしたい考えだ。

 党内では党勢低迷の危機感から、野田代表が率いる立憲民主党との衆院選での選挙協力を求める声も増えている。党執行部は慎重姿勢を崩さないが「自民党候補を落とすためなら立候補を辞退してもいい」との声も飛び出し、執行部への不満に拍車をかけている。

 一方、立民内には関西圏を中心に維新との連携には反発も強い。立民の大串博志代表代行は26日、知事選について「しっかりと候補者を立てて戦っていく」と記者団に語り、維新との連携を否定した。