船木誠勝をPKで下した村上和成(撮影・佐々木彰尚)

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 「プロレス・ストロングスタイル」(26日、後楽園ホール)

 メインイベントでレジェンド選手権試合が行われ、6月にベルトを奪取した第18代王者・村上和成(50)に船木誠勝(55)が挑戦した。

 2006年にビッグマウスラウド(消滅)のリングで、当時引退していた船木の復帰戦として計画されながら流れた幻の一騎打ちが、18年の時を経て実現した。

 試合は手の探り合いというストロングスタイルらしいスタートとなり、村上が引き込んで双方MMAの技術を生かしたグラウンドの攻防に。村上がロープブレーク後、柔道出身の村上が一本背負いで投げるが、船木は三角絞めから腕ひしぎ十字固めに移行、村上はロープエスケープする。

 試合が動いたのは船木がコーナーで張り手を入れてから。船木は掌打、蹴りの連打からチキンウイングフェースロック、アームロック、打撃でラッシュし、リング中央でクロスヒールホールドに入るが、村上はなんとかロープをつかむ。

 「来いよオラ!」とほえる村上に船木は蹴りで猛攻を加えるが、村上は左ミドルをキャッチすると「苦肉の策」という左フック一閃(いっせん)。ダウンした船木にPK(走り込んでのミドル)をブチ込み、7分14秒、エビ固めで3カウントを奪った。

 村上は「18年の思い全部受けきった上で絶対に勝つっていう気持ちでした」と明かし、「4度ほど心が折れそうになりました。己に勝つというテーマを貫いて、あのラッキーなパンチが当たって、僕に勝利が傾いただけ。9割以上は押されていました。本能のまま戦った結果という気もしますし、本当に紙一重だと思います」と試合を振り返った。

 「この勝利を無駄にせず、チャンピオンとしてもっともっとぶち切れて、血ヘド吐くぐらいしばきまわしたいなと思います」と、王者としての抱負を述べた村上は、次期挑戦者について「次の防衛戦、たまたま今日このリングになんでだの拍子で降りてきたあの男、アイツがよしと言うのか会社がよしと言うのか、この男を…勝負したいねえ」と敬礼ポースを取り、この日、ストロングスタイルプロレスに初参戦した新日本プロレスの永田裕志(56)を示唆。

 「あの大阪でのタイトルマッチの借りを返したいなと今思いました」と、かつてIWGPヘビー級選手権試合で敗れたリベンジを要求し、報道陣に「今後詰めてほしいねえ」と、機運の醸成を求めていた。