『ラブライブ!スクールアイドルミュージカル the DRAMA』©「スクールアイドルミュージカル the DRAMA」製作委員会

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 11月21日よりMBSドラマフィル枠にて、『ラブライブ!スクールアイドルミュージカル the DRAMA』の放送がスタートする。

参考:『ラブライブ!』シリーズ初の実写ドラマ化 メインキャストに渡邉美穂、≠ME冨田菜々風ら

 『ラブライブ!』シリーズは、2010年にスタートしたマルチコンテンツで、アニメやゲーム、マンガなど多彩なメディアに展開している。キャラクターの声を担当する声優が実際にグループを組んでライブ活動を行い、これまでにμ’s、Aqours、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会、Liella!などのグループが生まれて人気。中でもμ'sは『第66回NHK紅白歌合戦』に出演、東京ドームで公演を行ったほか、『ラブライブ!』のファンを指す「ラブライバー」という言葉を生み出すなど社会現象になった。また沼津を舞台に描かれた『ラブライブ!サンシャイン!』では、地域活性に一役買い、沼津への若者の移住が増えたほど。

 物語は、言わばアイドル版の甲子園ストーリー。 生徒が学校を代表してアイドル活動を行う“スクールアイドル部”に所属する主人公たちが、スクールアイドルの頂点を決定する「ラブライブ!」に挑戦し成長していく姿を描いた。

 ただ、『ラブライブ!』のドラマ化と言っても、μ’sの高坂穂乃果やAqoursの高海千歌が出てくるわけではない。今回ドラマ化されるのは、2022年からは完全オリジナルストーリーで展開されている『スクールアイドルミュージカル』だ。スクールアイドルに憧れ、自分の高校にスクールアイドル部を設立する椿ルリカ(渡邉美穂)と、そのルリカが憧れる現役スクールアイドルの滝沢アンズ(冨田菜々風)の2人を軸に、2つの学校を行き来するかたちで物語が展開されていく。ミュージカルでは2~3時間でギュッとしたストーリーだっただけに、ドラマでは各キャラクターの深掘りにも期待が高まる。また、ミュージカルでは描ききれなかった、学校の全景や校舎内の様子などがどんなかふうになっているのか観るのが楽しみだ。

 主人公の1人である椿ルリカを演じる渡邉美穂は、2022年に日向坂46を卒業後、多彩な活動を続ける中で、NHK連続テレビ小説『虎に翼』にも出演。俳優としての才能をより確固たるものにしつつある。アイドルをテーマにした作品だけに、さらなる躍進が期待される。他に、≠MEの冨田菜々風をはじめ、超ときめき♡宣伝部の杏ジュリア、私立恵比寿中学の安本彩花や仲村悠菜、AKB48の山内瑞葵など、現役アイドルや元アイドルが多数出演する。

 日本を代表するアイドルの精鋭たちがグループの垣根を超え、スクールアイドル部として歌い踊る姿は、全アイドルファンが夢にまで見た光景かもしれない。原作となった『スクールアイドルミュージカル』はミュージカルと言うだけあり、歌唱やダンスのシーンも好評を得たほか、ミュージカル公演とは別に「文化祭&後夜祭」と銘打ったライブのみの公演も開催されて盛り上がっただけに、ドラマでもライブシーンは必見となるだろう。

 アイドルのことを最も分かっているのは、誰あろうアイドル本人だ。グループ内で巻き起こる確執、切磋琢磨するからこそ生まれる絆や喜び、そして学業との両立。親への反発……。渡邊たちアイドルが実際に経験してきた、今まさに経験しているだろうことが、次々と巻き起こる。役に対する共感性は、ほぼ100%。それをいかに、それぞれの役として、リアルに投影できるかが鍵だろう。

(文=榑林 史章)