ドジャース・ロバーツ監督(カメラ・安藤宏太)

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 ドジャース・大谷翔平投手(30)が25日(日本時間26日)、本拠地・パドレス戦に「1番・指名打者」でフル出場し、決勝打を放つなど3打数2安打2打点、1盗塁の活躍で、チームの逆転勝ちに貢献した。ドジャースは地区優勝へのマジック「2」が再点灯し、あす26日(同27日)の本拠地・パドレス戦で勝つと、3年連続の地区優勝が決まる。

 6回2死一、二塁の4打席目。3番手左腕・モレホンのシンカーをはじき返すと2打席連続の“勝ち越し打”となる中前適時打。打った瞬間から雄たけびを上げて感情を爆発させた。さらに2死一、三塁で、ベッツの打席の4球目でスタートを切ると二盗を決めた。イチロー(マリナーズ)が2001年にマークした日本記録に並ぶ56盗塁となった。

 9月19日(同20日)の敵地・マーリンズ戦で6打数6安打、3本塁打、10打点、2盗塁と大暴れしてから“無双モード”に入っている大谷。その後の6試合では24打数17安打の打率7割8厘、5本塁打、15打点、7盗塁と圧巻の成績を残している。この日の試合前の時点で地区2位のパドレスに2ゲーム差に迫られ、投手陣を中心に故障者が続出している中で、シーズン終盤に力強い活躍だ。

 ロバーツ監督は大谷が終盤戦でギアを上げたと指摘した。「彼は彼のプレーのレベルを上昇させた。左投手相手にカウント0―2のビハインドから変化球を強打して得点につなげた。これまで見たことのない感情の出し方だ。彼はポストシーズンを見据えており、これらの試合がどれだけ重要かを理解している」。

 一つの勝利が重要となる終盤戦で勝負強さが輝きを放ってきた。「彼は私が思っていた通りにやっている。願っていた通りに、だ。これはプレーオフと同じような環境だ。(相手投手が)ああやって内角の変化球を投げて打てないようにしていたが、彼は彼の球が来るのを我慢強く待った。そしてチャンスが来たらそれを打つ。彼は、正しいエネルギーに感情のチャンネルを合わせている。大きな自信を持っている。彼は今、メンタル面でもフィジカル面でも我々が必要なところにいる」と称賛が続いた。

 またイチローに並ぶ日本人最多56盗塁をマークしたことには「驚かなかった。いや、それは冗談だ(笑)」。だが沖縄・那覇生まれの同監督は日本生まれメジャーリーガーで3位の年間49盗塁(06年)をマークしており「その指摘に感謝するよ(笑)。彼らほど才能がない男がこの会話に入れるのは良いことだ」とご機嫌だった。