映画『ライオン・キング:ムファサ』前作までムファサの吹替版声優を務めていた大和田伸也(左)、本作でムファサ役を務める尾上右近

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 12月20日公開の“超実写”映画『ライオン・キング:ムファサ』の主人公・ムファサ役の吹替版声優に、尾上右近が決定。アニメーション版、2019年公開の超実写版『ライオン・キング』でムファサ役を務めた大和田伸也より大役を継承した。

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 1994年の公開から30周年を記念し、9月20日から1週間限定でリバイバル上映されたアニメーション版『ライオン・キング』。その最終上映日である9月26日、アニメーション版『ライオン・キング』や2019年公開の超実写版『ライオン・キング』で、ムファサ王の吹替声優を務めた大和田伸也が登壇する、映画『ライオン・キング』30周年舞台あいさつが開催された。そこで『ライオン・キング:ムファサ』で若き日の“ムファサ”の超実写吹替版声優として、尾上右近が初お披露目され、熱い想いがこもったバトンが渡された。

 『美女と野獣』『アラジン』を超えるディズニー映画全世界No.1ヒット作となった2019年の超実写版『ライオン・キング』。12月公開の『ライオン・キング:ムファサ』では、その“はじまり”の物語が描かれる。その主人公が、これまで大和田が命を吹き込んできたムファサ王だ。息子シンバを命がけで守った父ムファサ王。孤児であった彼の運命を変えたのは、ムファサの命を奪った“ヴィラン”スカーとの幼き日の出会いだった──血のつながりを越えて兄弟の絆でむすばれた彼らは、恐ろしい敵ライオンから群れを守るため、新天地を目指す旅に出る。「君がいたから、強くなれた」──ムファサを偉大な王にした兄弟の絆に隠された、驚くべき“秘密”とは?

 本作について大和田は、その知られざるムファサの物語に「ムファサが幼い頃から描かれるんですよね。小さいころの声は僕がもう一度、一言でもいいからとやりたいと言いましたが…(笑)」とユーモアたっぷりに会場を笑わせながらも、「新しいムファサ役の声、本当に素敵でしたね。一体誰がやるんだろう?!」と興奮の面持ち。そんな中、サプライズでムファサ役の超実写吹替版声優を務めることとなった尾上右近がサプライズ登場した。

 歌舞伎役者として知られ、近年ドラマや映画などで俳優としても活躍している右近を大和田は笑顔で迎え入れた。今回、声優初挑戦&ディズニー作品初参加となる右近は、ムファサ役決定の気持ちについて「ムファサの声を務められるのは光栄です。歌も好きだし、ディズニー作品の声優をやるのが長年の夢でした。僕は今32歳なのですが、『ライオン・キング』30周年ということで、ほぼ同世代。『ライオン・キング』と一緒に育ったとも思っています。ムファサが大自然の中で、伝統の中で、どう生き、どのように王になったのか。僕も歌舞伎という伝統芸能の中で生きているので、通ずるものがあると思います。ムファサに対する話を聞いたときすぐに気持ちが高まり嬉しく思いましたし、自分がやることに非常に大きな意味があると思いました。」と喜びのコメント。

 元祖ムファサ役として大先輩にあたる大和田から「私も30年間ずっとムファサと共に生きていたので想いは強い。若いムファサを演じていただくにあたって、凛として男らしくて、優しさも兼ね備えているような方が良いなと思っていましたが、右近さんだと聞いて大喜び。ムファサ役にぴったりだと思うし、本当に期待しています。凛とした品格、男らしさ、そういった熱いものを持ったまま演じてきってほしい」とのアドバイスを受け取り、「大和田さんやディズニーファンの皆さんのご期待に応えられるように頑張りたい」と感銘を受けている様子だった。

 さらにここで、超実写吹替版を担当する監督から右近へのスペシャルメッセージが到着。「歴史を受け継いで新たな王となる運命を進むムファサの姿は、数々の舞台で活躍してきた役者・尾上右近に重なります。その道のりで経験する葛藤や喜び、そして高みを目指す気高き精神を体現する品格のある声の響きは、吹き替え版の中で必ずや私たちのムファサを見せてくれるはずです」とコメントが贈られると、「身が引き締まる思いと、嬉しさ、プレッシャー…いろんな気持ちがこみ上げてきました。僕は歌舞伎界の人間ですが、父は歌舞伎役者ではないので、いろんな想いを積み上げ、先輩たちのおかげもあってここまできた。血は水より濃いと言われているが、水は血より濃いと考えている人もいる。ムファサの境遇を聞き、ムファサへの気持ちが高まり嬉しく思いました」とムファサと自身の共通点を語り、「これまで感じてきた全てを込めて、自分にしかできないムファサを演じたい」と意気込みを語った。

 『ライオン・キング:ムファサ』は、歴代作品同様、心揺さぶる楽曲も大きな見どころとなりそうで、右近の歌唱シーンにも期待がかかる。劇団四季出身の大和田は、そんな右近の歌唱を楽しみにしていたといい、なんとここで、「せっかくなので皆さまに披露してみたらいかがですか?」と盛大に無茶ぶり。「それは(ムファサだけに)“ムファぶり”ですね」と思わぬサプライズに驚きながらも、右近は、『ライオン・キング』を代表する名曲「サークル・オブ・ライフ」をアカペラで堂々歌唱! これには大和田も「本当に素晴らしい。これで若いころのムファサに安心して託すことができる。ムファサ愛を繋いでください」と心打たれた様子だった。

 その後、大和田から右近へのムファサ引継ぎ式を実施。バトン替わりとして、これから最新作の収録に臨む右近に大和田から直々に、台本とムファサのぬいぐるみが贈られ、右近は改めて「ムファサというキャラクターは、実は孤児だったところから王になっていったという一世一代の伝統の創始者で、物語の中でも“伝統を受け継ぐ”というメッセージが込められています。大和田さんの魂をしっかり受け継ぎつつ、自分ならではのムファサを作っていきたい。日本のムファサを誠心誠意演じたいです」と決意を口にした。

 映画『ライオン・キング:ムファサ』として12月20日より全国公開。