帰国した中谷潤人

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 ボクシングのWBC世界バンタム級王者・中谷潤人(26)=M・T=が26日、米合宿から帰国し、羽田空港で取材に応じた。

 この日、1966年の静岡県一家4人殺害事件で、強盗殺人罪などで死刑が確定した元ボクサー・袴田巌さん(88)の再審判決公判で、静岡地裁は無罪を言い渡した。

 日本プロボクシング協会では委員会を設けて袴田さんの支援を続けており、中谷も支援活動に参加している。

 この日、着陸後にスマートフォンで無罪判決のニュースを知ったという中谷は「ホッとしたという気持ちでいっぱいです。たくさんのボクサーの人たちも支援されて、僕自身も参加させてもらって、思いを伝えさせてもらって、形として実って良かったなと思います」と、無罪判決を喜んだ。

 中谷は10月14日に有明アリーナで、1位のペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)の挑戦を受けて2度目の防衛戦に臨む。この日は同じ興行で、1位のジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)の挑戦を受けて初防衛戦を行う、10代からの盟友のWBO世界フライ級王者、アンソニー・オラスクアガ(米国)を伴って帰国した。

 米国では「ほとんどサウスポー」を相手に1回で最長13ラウンド、トータル160ラウンドのスパーリングを行ってきたといい、「サウスポーの選手を呼んでくれて実戦を積めたので、いい感じでサウスポーになれました。いい感じで疲労を乗り越えたら楽になる感覚がある。順調に調整できています」と話し、「お客さんが帰られる時に心に残るファイトをしたいなと思っています」と意気込みを述べた。

 13日のメインは互いに対戦を希望するWBA世界バンタム級王者・井上拓真(大橋)で、翌日の中谷の試合を観戦する可能性もある。中谷は「(拓真に)刺激を与えられるようにと思います」と、その先への意識をにじませていた。

 また、オラスクアガは、13、14日の2日間で7試合の世界戦が行われることに対して「誰かより目立ちたいということではなく、自分との戦い。自分の階級の他のチャンピオンや選手に、今一番だと証明する試合をしたい」と意気込みを述べていた。