会見する斎藤元彦兵庫県知事=2024年9月26日午後3時、神戸市中央区の県庁、樫山晃生撮影

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 兵庫県議会で不信任決議が可決された斎藤元彦知事は26日、30日付で自動失職し、出直し知事選に立候補する意向を正式に表明した。

 午後3時から開いた記者会見で「まだまだ改革を止めるわけにはいかない。若い世代への投資を続けていくべきだ。知事の仕事をまだまだ続けさせていただきたい」と説明した。

記者会見に臨んだ兵庫県の斎藤元彦知事=2024年9月26日午後3時9分、神戸市中央区、白井伸洋撮影

 斎藤氏は19日の県議会で、内部告発文書への対応をめぐって全議員から自身に対する不信任決議案が共同提出され、全会一致で可決された。同決議は地方自治法の規定で法的拘束力を持ち、斎藤氏は29日までに議会を解散するか、辞職・失職するかを選ばなければならず、判断に注目が集まっていた。斎藤氏は26日午前、失職して出直し知事選に臨む意向を複数の関係者に伝えていた。

 内部告発の問題をめぐっては、県幹部の元西播磨県民局長=7月に死亡=が文書を作成し、3月に匿名で県議や報道機関に配布。文書には斎藤氏の職員へのパワハラや企業からの贈答品受け取りなど七つの疑惑が指摘されていた。斎藤氏は側近らに調査を指示。元県民局長を告発者と特定し、「文書の核心部分が事実ではない」などとして元県民局長を停職3カ月の懲戒処分とした。

 この問題を受け、県議会は、調査権限の強い調査特別委員会(百条委員会)を設置。百条委には斎藤氏も出頭したが、元県民局長を告発者として保護しなかったことや、県政の混乱が続いていることに対して、指摘が続出。9月定例会の開会日に不信任決議案が全議員の賛成で可決された。