引退会見に臨んだ元碧山の岩友親方(カメラ・今関達巳)

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 大相撲秋場所限りで現役を引退した元関脇・碧山(38)の岩友親方が26日、東京・両国国技館で引退会見を開いた。東十両13枚目で迎えた秋場所は5勝10敗の成績で終え、「力は出し尽くしました」と師匠の春日野親方(元関脇・栃乃和歌)と相談。引退を決意したという。

 「家族からは良くやった。これからも頑張ってと言われました」と口にしたところでハンカチで目頭を押さえ「もう土俵に上がることがない。さみしい気持ちでいっぱいです。もう少し娘(モニカさん、2歳)に元気な姿を見せたかった」と絞り出した。

 故郷ブルガリアの先輩、鳴戸親方(元大関・琴欧洲)に誘われ2019年に角界入り。191センチ、180キロの巨体から繰り出す突き押しの破壊力は抜群だった。入門は田子ノ浦部屋。師匠(元幕内・久島海)が急死して春日野部屋に移籍した。それから15年にわたって、土俵をにぎわしてきた。

 思い出の一番は12年名古屋場所5日目の大関・琴欧洲との一番だという。寄り倒しで敗れたものの、「ブルガリアの先輩、琴欧洲関と相撲を取るのが私の夢だった。それが実現出来てうれしかったです。内容? 緊張してよく覚えてません」と話した。

 「年寄・岩友」は今年7月、42歳の若さで亡くなった元幕内・木村山から引き継いだ。今後は春日野部屋の部屋付きの親方として後進の指導に当たっていくという。「自分に負けない力士、気持ちの強い力士を育てたいです」と意気込んでいた。