遭難した「KAZU1(カズワン)」=知床遊覧船のウェブサイトから

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 北海道・知床半島沖で2022年4月、26人が乗った観光船「KAZU?(カズワン)」が沈没した事故で、第1管区海上保安本部(北海道小樽市)は26日、操船していた豊田徳幸船長(当時54)を業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで、書類送検した。

 豊田船長は遺体で見つかっており、容疑者死亡で不起訴になる見通し。

2022年5月、海面までつり上げられた「KAZU?(カズワン)」=北海道の斜里町沖、朝日新聞社機から

 送検容疑は22年4月23日、航行の安全を確保する義務があったのに怠り、船を沈没させて乗客・乗員25人を死亡させたというもの。このうち乗客6人は見つかっていない。

 1管によると、カズワンの船首部分のハッチに不具合があり、天候が悪化して波が高くなる中、開口部から船内に海水が流れ込み、沈没したとみられるという。

 1管は今月18日、運航会社「知床遊覧船」社長の桂田精一容疑者(61)を業務上過失致死と業務上過失往来危険の容疑で逮捕。今後、釧路地検が起訴するかどうか判断する。(新谷千布美)