“こぼれいくら”が大ピンチ 北海道で“異変”…秋サケが歴史的な不漁に サケの切り身が3切れ755円で前年比約100円アップ

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いくらが歴史的不漁により供給が厳しく、値上がりする可能性がある。
また、北海道の秋サケの来遊数は、海水温の上昇時期の早まりから、過去最低となっている。
鮮魚店でも、秋サケの切り身の値段が例年より高くなっている。

秋サケの来遊数が平成以降最低に

軍艦にのった海の宝石「いくら」が今、異例の事態を迎えている。

レーンを流れて来たのは、特製のたれで味付けされた店自慢の「こぼれいくら」。
通常の3倍のいくらがのった、一番人気のネタだ。

いくらを食べた記者は、「新鮮でプチプチしてます。口の中でうまみがはじけます」と感想を語った。

秋サケのいくらは今が旬のはずが、歴史的不漁に見舞われている。

回転寿司沼津すし之助 横浜店・野地心一店長は「数量的にピンチなところもあるけど、本社で仕入れているのでまだ大丈夫。こぼれをなくすことはできないので。これから状況変わってくれば、こぼれはなくならないけども、値段はなんとも言えないです」と話している。

北海道内では、秋サケの来遊数が平成以降、最低になる見通しだという(北海道立総合研究機構より)。
専門家によると、一番の原因は海水温の上昇時期が早まったためだという。

こうした中、すでに価格の変更を伝えられた店もあった。
東京・渋谷にある海鮮食べ放題の店「海鮮バイキング&浜焼きBBQ玉手箱」。
北海道産の魚介類など60種類があり、いくら盛り放題は人気のメニューだ。
お客さんも、豪快にいくらを盛り付けていた。

しかし、米満尚悟オーナーは、「まだ9月いっぱいまでは従来の価格で仕入れさせてもらっているんですけど、10月から上がる予定です。かなり厳しいは厳しいですね」と語った。

今は2023年の冷凍ものを使っているため影響はないが、卸業者からは10月からの値上げをすでに通達されているという。

米満尚悟オーナーは、「できるだけこのままやりたいけど、本当に厳しくなった場合はマスのイクラ、そこは変える可能性あります」とコメントした。

鮮魚店でも秋サケが値上げ

東京・品川区の鮮魚店「魚河岸 中與商店 武蔵小山店」では、午前に入荷したばかりの新鮮な北海道産の秋サケの切り身が、店頭に並べられていた。

店舗に来た女性も秋サケを品定めし、だいぶ悩んでいる様子。
40代の女性は「買おうかなとは思っていますが、でも、ちょっと全体的に少し高いかな」と話した。

女性は、夕飯用に3つ秋サケを購入した。

中與商店 武蔵小山店・前里芳樹副店長は「秋サケの方は例年不足してまして、今年も少し値段の方は高くなっている。去年よりも100円ぐらいちょっと、少し値上がりにはなってます」と話している。

秋サケの切り身は3つで755円で、2023年より約100円の値上げだという。

店舗に来た客は、「そんなに安くないですね。頻繁にはちょっと買えないかな」とコメントした。

気になる秋サケの今後の見通しを、前里芳樹副店長は「先週は3切れで908円とか、そのぐらいの値段にはなっていたので、相場が落ち着いてきて、入荷量も増えてきているので、このぐらいのお値段で提供できている」と語った。
(「イット!」 9月25日放送より)