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テレビ東京『ありえへん∞世界」でも昭和の運動会が特集され、行進の練習をそろうまでやらされるなどの様子に、令和世代は驚きの連続でした。最近の運動会は、昔よりもルールや規制が多くなっています。「時代の流れに合わせて変えていくのは当然のこと」と受け止める人もいれば、「運動会らしさが損なわれている」と問題視する人もいて、大きく意見が分かれているのが現状です。

【写真】いくつ参加したことがある?運動会の定番競技

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勝ち負けをつけない

手足をそろえて勇ましく入場行進、紅白2つのチームに分かれて得点を競い合う…運動会ではおなじみの光景でした。

しかし、「子どもたちが勝ち負けにこだわりすぎて、運動会を純粋に楽しめなくなる」などの懸念から、最近ではチーム分けをしなかったり、点数をつけなかったりする学校が出てきています。

同様の理由から、徒競走やリレーなどの競技で順位付けを行わない学校や、そもそもこうした競技自体をプログラムから外す学校もあるようです。

【保護者の意見は…】

(肯定派)

・足の遅い子でも劣等感を抱かずに楽しめる

・順位や総合成績ではなく、子ども一人ひとりの頑張りや成長を重視するべき

・勝ち負けがはっきりしていると、運動が苦手な子はやる気をなくしてしまう

(否定派)

・勝利を目標にすることで張り合いが生まれる

・負けた悔しさをバネに成長することもある

・足の速い子が輝けるせっかくの機会なのでなくさないでほしい

『<マウントを取りたがる人>の特徴&心理を解説。話をさえぎって「私はあなたよりも不幸」と語り始めたら…』はこちら

撮影禁止

今は誰もが手軽にスマホで撮影し、SNSに投稿できてしまう時代です。そのためプライバシー保護の観点から、運動会の撮影を禁止する動きが出てきています。

撮影禁止の学校では、代わりに業者を手配したり、ライブ配信を行ったりするのが一般的です。

また、「スマホでの撮影はNGだが、デジカメやビデオカメラでの撮影はOK」としている学校もあります。

【保護者の意見は…】

(肯定派)

・撮影のための場所取りをしなくて済む

・子どもの応援のみに集中できる

・保護者や子どものプライバシーが守られる

(否定派)

・撮影も運動会の楽しみの1つ

・完全に業者任せだと、自分の子どもが写っている写真が少ない可能性がある

・デジカメやビデオカメラを持っていない家庭も多い

『スマホで撮った写真、今一つパッとしない…。「編集」で映え写真に生まれ変わる!明るさや色合いを調整するだけで見違える』はこちら

安全性や平等性を重視した結果? 

その他、各地の学校で広まりつつあるのが「場所取り禁止」のルールです。

最近では、場所取りのために早朝から並ぶ保護者がいて近隣への迷惑になったり、場所取りをめぐって保護者間でトラブルが発生したりするため、代わりに学校が整理券を配布することで対策しています。

こうした運動会にまつわる数々の変更は、以前よりも安全性や平等性が強く重視されるようになったためだと考えられます。また、従来のやり方を見直した結果、子どもや保護者、教員への負担を減らせている面もあります。

しかし、同時に運動会らしさを感じさせる風景も排除されつつあり、違和感や抵抗感を覚える人も少なくありません。

SNSでは「そもそも運動会自体が時代にそぐわないイベントなのでは?」といった、運動会の存在意義を疑問視する声まで出てきています。
運動会の在り方をめぐっては、今後も意見が噴出しそうです。

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