日本有数のセレブタウンに警察出動…兵庫県・芦屋の海岸で「釣り開放」を巡って住民同士が″大モメ中″

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セレブタウンで大トラブル

″カネもちケンカせず″のはずが――。

坪単価130万円を超える日本有数のセレブタウン、兵庫県芦屋市警察が出動するほどの大トラブルが起きている。芦屋の人工島、涼風町(すずかぜちょう)沿いの南護岸の東側が釣り人に試験開放されていることで住民同士がモメにモメているのだ。南護岸の近くに住む反対派の住民が憤る。

「私は’12年頃にこの街に引っ越してきました。家から海が見えるロケーションに惹かれたのですが、オーシャンビューを楽しむどころか、海岸が釣り人に開放されていて無法地帯でした。夏になると早朝4時頃から釣り人が大挙してやってきて路上駐車。彼らが海岸に捨てていったゴミで異臭が酷い。夜は大声で歌ったり花火を上げたりする人が出てくる。

平穏な時間を過ごせたのは、工事が始まって護岸が立ち入り禁止になった’18年11月から数年間だけでした。それも、’22年10月に南護岸の東側が釣り人に開放されると、朝8時の開門の数時間前から人が集まり、またゴミが捨てられるようになった。自治会で立ち上げた『南護岸環境対策委員会』を通じて、マナー啓発の看板を立てるなど対策を講じましたが、釣り人全員のマナーが良くなったという話は聞いていません」

さらに騒動は深刻化

FRIDAY記者が南護岸を訪れると、あちこちにゴミの持ち帰りや大声で騒ぐのを控えるよう求める張り紙があった。’23年2月に兵庫県が南護岸の西側の開放を要求したことで騒動は深刻化したという。

「開放反対の声をあげていた住民の中には、自家用車にペンキをかけられた人もいます。投石被害に遭っている人もいる。私も身の危険を感じて警察に通報しました」(同前)

一方で、開放賛成派の芦屋市議会議員の孝岡知子氏は「釣りをしたいからこの街に越してきた人もいる」と反論する。

釣り人たちの意見が無視されているのは問題です。以前に比べるとゴミは減っている。釣り人がデッキブラシで掃除して帰っているのです。南護岸での釣りを全面的に禁止するのは乱暴ではないでしょうか。今回の住民同士の対立は、芦屋の歴史を汚す出来事だと思います」

芦屋市役所の都市建設部によると、今年の南護岸への不法侵入は100件を超えている。セレブ街に平穏が戻るのはまだまだ先になりそうだ。

『FRIDAY』2024年9月27日・10月4日合併号より