米ラッパー夫妻、玩具会社との裁判で“100億円超の賠償金”勝ち取る

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米ラッパーのT.I.とタメカ・ハリス夫妻が、裁判で7100万ドル(約102.3億円)の賠償金を勝ち取った。

タメカの娘らが所属する音楽グループ、OMGガールズのメンバーに似ているとされる人気ドールシリーズ「L.O.L. Surprise!」のドールに関して、知的財産権を侵害されたとして玩具会社MGAエンターテインメントに対して訴訟を起こしていた同夫妻は、9月23日の3回目の裁判で勝訴し、莫大な損害賠償を獲得する運びとなった。

T.I.はローリング・ストーン誌にこう話す。

「正義がもたらされた。妻、娘、姪たちの執拗さと忍耐力の証明だ。大企業がパブリックドメインとして誰でも自由に使えると思っている知的財産に関して、俺たちは戦い勝てたことがただ嬉しい」

今回の裁判で陪審員らは、T.I.ことクリフォード・ハリスとタメカに対し実質的な損害賠償として1790万ドル(約25.8億円)、懲罰的損害賠償として5360万ドル(約77.4億円)を与えることを決定、タメカは「凄いわ。思ってた以上のことをしてくれた」「私は何でも良かった。それ以上に祝福されたけどね。陪審員の人たちには本当にお礼を言いたかったけどその機会がなかった」と話している。

一方、2人の弁護団らは自分たちの知的財産と他のクリエイターの権利を守るという決意を持って戦ったT.I.、タメカ、OMGガールズのメンバーらを称賛、「注目に値する陪審員らが、トレードドレス侵害と名前、肖像、アイデンティティに関する不正流用についてMGAエンターテインメントに全責任を負わせる正義を下しました」と続けた。

カリフォルニアで3週間かけて行われた裁判の結果、13体の「L.O.L. Surprise!」ドールがOMGガールズのトレードドレス侵害、名前、イメージ、肖像の流用であると認められ、14体目のドールはトレードドレス侵害、その他のドールにも同グループの名前、イメージ、肖像の不正流用があることが認定された。

2009年にT.I.とタメカは、自身らが立ち上げた3人組の同グループの「非常に特定された公的なイベントや公開された写真」をコピーした「L.O.L. Surprise!」ドールが作られていると主張、MGAエンターテインメントの創設者アイザック・ラリアン氏は2人を「ゆすり屋」と非難し、同グループは自分たちのドールの外見と無関係としていた。