パナソニックが初期不良品などを整備し、直して販売する再生家電(同社提供)

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 電機大手が、初期不良品や展示品などを整備し直した「再生家電」の販売に力を入れている。

 廃棄品を減らし、資源の有効活用につなげることが狙い。新品同様の品質でも価格は割安で、環境意識が高い消費者らの関心を集めそうだ。

 パナソニック(東京)は、使用歴が短い初期不良品や店頭展示品、サブスクリプション(定額制)サービスで使われた家電について、洗浄や部品交換などを行った上で公式サイトで販売する。ドラム式洗濯乾燥機や冷蔵庫などのほか、今月からは電子レンジと炊飯器の取り扱いも始めた。

 通常の中古家電と異なり、安心して使えるよう1年のメーカー保証を付けた。価格も割安で、商品の状態にもよるが、ドラム式洗濯乾燥機は新品と比べ2割ほど安い。購入者からは「中古品と感じさせない仕上がり」と好評だという。

 日立製作所の家電子会社、日立グローバルライフソリューションズ(東京)も2022年からオンラインで再生家電の販売を開始。清掃や性能検査をした上で、1年のメーカー保証を付け、冷蔵庫や掃除機、IHクッキングヒーターなどを割安で販売している。

 ただ、再生家電は数が少なく、在庫切れになりやすい。別の電機メーカーの担当者は「長い目で見ればあるべき姿だが、そもそも『量』を流通させるのが難しい」と話している。