朝ドラ「虎に翼」の脚本家・吉田恵里香氏が、9月25日に放送された情報番組「クローズアップ現代」(NHK)に出演。様々なキャラクターが登場した理由について「省かれてきた人たちを省かないで描こうと思っているだけ」と語った。

朝ドラ「虎に翼」の脚本家である吉田恵里香氏が、桑子真帆アナのインタビューに対応。「虎に翼」では性的マイノリティの人々、障害を持った人、認知症といった様々な人たちも描かれたが、吉田氏は「そういう人たちに少しでもエンターテイメントで寄り添いたいな、と思っていた」と話す。

吉田氏は全ての人間は描けず、ドラマの中では取捨選択をせざるを得ない中で、「省かれてきた人たちを省かないで描こうと思っているだけなので。盛り込もうとか、入れてやろうとかいうよりは、ちゃんと誠実に、いた人を書きたい」と話し、アニメ作品のサブライターとして携わった時に「同性愛者の方を出した時にすごく予想していない場所からの反応というか、『そういうことをアニメで、しかもにぎやかしとかじゃなくて描いてくれたことがすごくうれしい』とか意見をいただいて。そういう反響があった時にそれが、ありがとうとか感謝されるのもちょっと変だなと思っちゃって。喜んでもらえたことは嬉しかったし、こういう作品をやる意義はあるなと思ったけど感謝されるのってちょっと違うというか。別にその人がだめとかじゃなくて、世の中、何か変? って思ってはいるので」
と語る。

そして「普段スポットライトの外に出されちゃったりないものとして扱われる人を描きたいなって、そのぐらいから徐々に思っていって。当事者の人が矢面に立つのって、すごくしんどいことだと思うし。別に、守ってやろう、とかそういうことではなくて、そういう作家がいてもいいんじゃないのかなと思うし。やっぱりこれだけ格差とかが生まれてしまう世の中なので『私は、僕は、エンターテイメントという業界にいるから何もタッチしません』というのがもう理屈として通じなくなっている世の中かなとは思います」と語った。