58年前、静岡県で一家4人が殺害された、いわゆる「袴田事件」の判決が9月26日午後2時から、静岡地方裁判所で言い渡されます。捜査機関の証拠のねつ造に言及されるかどうかが注目されます。

1966年、静岡県旧清水市(現静岡市清水区)で、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、袴田巖さん(88)は1980年、死刑が確定しました。無実を訴え続け、2014年、静岡地裁が釈放を決定。2023年、東京高等裁判所が再審=裁判のやり直しを認めました。

再審で最大の争点となっているのが、袴田さんの犯行着衣とされてきた「5点の衣類」です。「5点の衣類」は事件から1年2か月後、現場近くのみそタンクから見つかった着衣で、付着していた「赤い血痕」について、検察側と弁護側の見解が分かれています。

検察は長期間、みそ漬けされても血痕の赤みが残る可能性はあるとして「5点の衣類」は袴田さんの犯行着衣だと主張し、2023年10月から始まった再審でも、死刑を求刑。一方、弁護団は「長期間みそ漬けされた血痕の赤みは黒くなる」と主張。「5点の衣類」は「捜査機関によってねつ造されたものだ」などとして、無罪を主張しました。

判決の言い渡しは、26日午後2時から静岡地方裁判所で言い渡されます。