小惑星「トリフネ」に接近するはやぶさ2のイメージ(有松亘京都大特定助教、JAXA提供)

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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は25日、小惑星探査機「はやぶさ2」が次に向かう小惑星の名称が「トリフネ」に決まったと発表した。

 日本神話に登場する神にちなんだ名称で、JAXAが公募で選んだ。探査機は2026年7月に到着する際、衝突ぎりぎりまでトリフネの近くを飛行し、表面の観測を行う。

 小惑星リュウグウの試料を地球に持ち帰ったはやぶさ2は、現在も宇宙を飛行している。最終目的地は地球と火星の軌道の間にある小惑星「1998KY26」で、途中にある小惑星「2001CC21」を経由する。

 これらは小惑星を識別する記号のため、JAXAは昨年12月〜今年5月、次に向かう「2001CC21」の名称を公募し、3082件の応募の中からトリフネを選んだ。名称は、日本神話における神で、同時に神が乗る船の名前でもある「天鳥船(アメノトリフネ)」にちなんだ。鳥のように高速で飛び、探査を安全に成功させてほしいとの願いを込めた。

 トリフネに到着したはやぶさ2は、秒速5キロ・メートルの超高速ですれ違いながら表面を観測。計画は、地球に衝突しそうな小天体に探査機をぶつけて軌道を変える「プラネタリー・ディフェンス(地球防衛)」技術の実証実験も兼ねるという。