阪神のメガホンを手にする伊藤敏博

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 国鉄(現JR)に勤務しながらシンガー・ソングライターとしてデビューした伊藤敏博(68)は、富山に居を構え音楽事務所の社長兼シンガー・ソングライターとして40年以上も歌い続けている。音楽活動の一方でライフワークとしてプロ野球・阪神タイガースを熱心に応援している。

 阪神は岡田彰布監督のもと昨年の日本一に続き、今季もシーズン最終盤までセ・リーグのペナントを争っている。伊藤は熱い声援を自宅のテレビに向かって送っている。

 中学時代は野球部で約60人の部員の中から二塁手のレギュラーとして活躍した野球小僧だった。高校では剣道部に入ったが、デビュー後に「君にもう一度」がフジ系「プロ野球ニュース」のコーナーテーマソングに採用され、阪神にも在籍した加藤博一さんや元近鉄の仲根正広さん(いずれも故人)と交流もあり野球と縁があった。

 1998年に横浜(現DeNA)が優勝するまでは横浜を応援していたが、その後は阪神を応援するようになり、今では阪神戦のテレビ観戦がライフワークになっている。

 「犬の散歩をする時に阪神タイガースのタオルを首に巻いて、日焼け止めを塗って歩いています。あと僕、伊藤でしょ。ピッチャーの伊藤(将)君のタオルを4段折りぐらいにして、伊藤っていう名前を見えるようにしてソファのテーブルの上に置いてテレビで観戦しています。部屋の中は鳥谷さんの帽子だとか応援グッズとか阪神だらけですよ。生活の一部で、なんかもう唯一の楽しみです」

 阪神について語り出すと、止まることがない。

 「冬になるともう一回、ケーブルテレビとかで再放送するじゃないですか。それを見るんです。あと、キャンプ中継も必ず見ます」

 一年を通して阪神を見守っている。加えてライブでも「六甲おろし」を熱唱するという。

 「企画で歌の旅というのがあって、日本全国を歌で紹介するライブをやって兵庫は『六甲おろし』にしたんです」

 10月5日には東京「江古田 Marquee」でライブを開催する。その時にはセ・リーグの優勝も決まっている。「ライブ中のMCも阪神枠があってその時はみんなで話をします。東京(のライブ)では優勝しても残念ながらでも(六甲おろしを)歌います」とセットリストに入れている。

 伊藤は1981年に発売した「サヨナラ模様」が大ヒット。国鉄富山車掌区に所属する車掌だったこともあり二刀流としても注目を集めた。1987年の国鉄民営化を機に退職し、シンガー・ソングライターとして北陸を拠点に活動。今も富山をはじめ東京、関西などでライブを開催している。