AppleがiPhone 16のバッテリー交換方法の解説ページを公開しました。解説ページには「電圧をかけると接着剤が剥がれる」と記されている他、用途不明の「砂」や「砂の入った容器」が必要ツール一覧に含まれています。

iPhone 16:バッテリー - Apple サポート (日本)

https://support.apple.com/ja-jp/120642

iPhone 16の背面カバーを外した状態が以下。青色で示されている部分がバッテリーです。



バッテリーは接着剤で固定されていますが、バッテリーにつながる銀色のタブに9Vバッテリーを接続すると接着剤を簡単に剥がせるとのこと。



以下のように9Vバッテリーを接続して1分30秒待つと接着剤が剥がれるそうです。



接着剤が剥がれたら吸着カップなどを用いて取り外せばOK。



iFixitが実際にiPhone 16の分解を試みたところ、接着剤はキレイに剥がれたとのこと。



接着剤の接着力はほぼ完全に失われるようで、iFixitはバッテリーが自重で外れることも確認しています。



Appleがの解説ページを読んでいると、必要なツール一覧に「砂」と「砂の入った容器」が含まれているのを発見。しかし、手順解説の中には「砂」も「砂の入った容器」も登場しません。



「すべての修理に必要なツールの一覧」ページを確認すると、砂は「キレイで乾いたものを8〜10カップ」、容器は「口が広くて注ぎやすく、壊れにくいプラスチック製のもの」を用意するように記されていました。



砂は分解手順の内容や用意する分量などから「火災発生時の消火用」と推測できますが、Appleの公式見解が知りたいのでAppleのサポートに問い合わせてみました。まずはチャットで問い合わせ。



問い合わせの結果、「日本では通常一般のお客様がお手元でバッテリー交換を実施する状況がございません」という理由で案内困難と回答されました。チャットサポートでは案内困難なため「スペシャリスト」の電話サポートに切り替えるとのこと。



「スペシャリスト」の電話サポートを案内されてから数十秒で「Apple Care担当者」から電話がかかってきたので、砂の用途について質問してみました。質問内容と回答は以下の通り。

Q:iPhone 16のバッテリー交換手順解説ページに必要なツールとして「砂」と「砂の入った容器」が記載されていますが、両者は解説本文の中に登場しません。「砂」と「砂の入った容器」の用途を教えてください。

A:確かに、サポートページには「砂」をどう使うのかは書かれていないですね。我々は修理を直接行っているわけではないので、砂の用途は分かりかねます。もし詳細を知りたい場合はAppleの正規代理店や公式ショップの技術者に直接聞けば回答を得られるかもしれません。

Q:Appleのサポートにどれだけ問い合わせても分かることはないということですか?

A:そうなります。


また、バッテリー交換手順解説ページの目的については「バッテリー交換手順の紹介ページであって、ユーザーが実施することを想定したものではない」という回答を得られました。

Q:チャットサポートで「日本では通常一般のお客様がお手元でバッテリー交換を実施する状況がございません」と言われたのですが、このバッテリー交換手順解説ページは何のために存在するのですか?

A:このページはバッテリー交換手順の紹介ページでして、お客様に実施してもらうためのページではありません。


なお、バッテリーを取り付ける際には「バッテリープレス」という専用の機材が必要だそうです。