記事のポイント

ルルレモンはメンバーシッププログラムを強化し、ウェルネス関連のサービスを拡大。

パートナーブランドと連携し、運動・食事・休息に重点を置いた特典を提供。

収益は増加傾向で、2024年第2四半期も9〜10%の成長を予測。



ルルレモン(Lululemon)は、ウェルネス関連の製品やサービスの提供を強化するために、外部のフィットネスブランドやウェルネスブランドを導入して、メンバーシッププログラムを拡大した。

コロナ禍を経てウェルネスへの注力を強化



ルルレモンは、ショッピング・コミュニティ・フィットネス分野の独自のサービスを含む無料メンバーシッププログラムを2022年に開始、そのコミュニティを現在、2200万人以上の会員を抱えるまでに成長させている。ルルレモン・メンバーシップ(Lululemon Membership)と呼ばれるそのメンバーシッププログラムには、会員向けイベント、新製品への早期アクセス、レシート不要の返品、無料の裾上げ、セール品の交換やクレジットなどの特典が含まれていた。しかし、ルルレモンのメンバーエンゲージメント担当シニアバイスプレジデントであるジャメイ・バイ氏によると、このプログラムには、ウェルネスという重要なカテゴリーが欠けていたという。

「プログラムをどのように向上できるかを検討していたが、北米のゲストにとってウェルネスが引き続き最優先事項であったため、ゲストのウェルネスジャーニーをサポートする特典を含めてサービス内容を拡大することにした」とGLOSSYに語った。

この動きの背景には、パンデミックに伴う健康への影響により消費者のウェルネスへの関心が高まっている状況がある。市場調査会社のスタティスタ(Statista)の調査によると、2020年の世界の健康・ウェルネス市場規模は4兆3000億ドル(約613兆円)以上と推定され、この数字は2025年までに約7兆ドル(約997兆円)に成長すると予測されている。

ウェルネス関連の他ブランドも利用できるプログラム



ルルレモンは、ウェルネスとウェルビーイングにフォーカスした「パートナー特典(Partner Perks)」を8月に取り入れて、プログラムを拡張した。同社の声明によると、この新しい取り組みにより、ルルレモンは「志を同じくするブランドのグループにより提供されるウェルネス特典への特別アクセスをゲストに届けて」、このカテゴリーへの注力をさらに強化しているという。新規・既存の顧客はメンバーシッププログラムの特典にアクセスでき、プログラムへの参加は引き続き無料である。

バイ氏は、「運動・食事・休息(Sweat, Fuel and Restore)という3つの主要なウェルビーイングの柱を特定して、当社とビジョンを共有する素晴らしい12のパートナーを厳選した。会員に魅力的なオファーを提供するだけではなく、会員のウェルビーイング目標を支援してくれる、志を同じくするほかのコミュニティや体験を紹介するために協働した」と語る。参加企業には、AG1、オーラ(Oura)、ララランドカフェ(La La Land Café)、ライフ アンド タイム(Life and Time)、バリーズ(Barry's)、スイートグリーン(Sweetgreen)、スーパーグープ(Supergoop)、エレウォン(Erewhon)などがある。

プログラムの今後の展開について、バイ氏は次のように述べる。「(ルルレモンでの)会員体験を向上させる新しい方法を引き続き模索する。これにより、さらに多くのゲストをプログラムに惹きつけることはもちろん、さらに重要なことには、ゲストに当社のブランドやコミュニティに引き続き関与してもらうことができる」。

ルルレモンは、6月に2024年第1四半期の収益報告を行い、純収益が10%増加して22億ドル(約3132億円)になったことを発表。2024年第2四半期の収益については、純収益が24億〜24億2000万ドル(約3419億〜3445億円)の範囲になると予測しており、これは9〜10%の成長にあたる。最新の収益に関する声明の中で、ルルレモンのCEOカルヴィン・マクドナルド氏はブランドの革新性を評価して、「さまざまなカテゴリーにわたる当社の製品革新は顧客から好評であり、当社は米国での品揃えの最適化に向けた発展に満足している」と述べた。

[原文:Lululemon expands its membership program, introduces third-party brands]

Tatiana Pile(翻訳:ぬえよしこ、編集:戸田美子)