AIを活用した日立の新サービス(イメージ)

 【ベルリン共同】日立製作所は24日、米半導体大手エヌビディアと協力し、鉄道の保守を人工知能(AI)で効率化するサービスを本格展開すると発表した。車両にカメラやセンサーを設置して走行しながらデータを集め、異常を検知する。劣化した部品を適切な時期に交換できるなど、安全運行や経費削減につながるとして、世界の鉄道事業者に売り込む。

 日立はエヌビディアと3月にAIサービスの開発で協業すると発表しており、鉄道事業で商用化する初の事例となる。

 サービス名は「HMAX(エイチマックス)」。エヌビディアが強みを持つ画像処理装置(GPU)を活用する。営業運行する車両に載せたカメラで撮影した映像や、センサーで捉えた熱や振動を瞬時に分析する。異常をより正確に把握できるようにすることで部品交換を必要最低限にとどめられるほか、保守専用車両を使うのに比べて高頻度でデータを収集でき、安全性も高められるという。

 新サービスは、24日からベルリンで始まる世界最大規模の鉄道技術見本市「イノトランス2024」で紹介する。英国とイタリアの一部路線では既に導入されている。