【能登豪雨】被害拡大の背景に今年1月の能登半島地震の影響か 堤防の損傷で機能せずに浸水?山がもろく土砂崩れに?

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16の河川の氾濫により、甚大な被害に見舞われた石川県能登地方。

普段川底も見えるほど浅い珠洲市の若山川は、22日の朝7時過ぎには陸地の上まで水位が上がり、約1時間半後の9時ごろには陸地部分も濁流がのみ込んでいました。

能登半島の被災地支援も行っている危機管理アドバイザーの国崎信江氏によると、今回氾濫が相次いだ背景には、今年1月の能登半島地震が関係する“いくつかの要因”があると指摘します。

危機管理アドバイザー 国崎信江氏:
まだ復旧の最中での水害被害なので、応急的な工事しかできてないところが多いんですね。護岸であったりとか、堤防の応急修理はしているんですが、あくまでも応急修理ということもあって、大量の急激な雨の降りに耐えられなくて、外水氾濫(河川の氾濫)も起きた。それによって被害が大きくなったと思っています。

1つ目の要因は、「地震による堤防などの損傷」。

今回氾濫した川の近くに住む人によると、元旦の地震で地盤が1〜2mほど沈下しているため、堤防が機能していなかったといいます。さらに…。

危機管理アドバイザー 国崎信江氏:
今回、(1月の)地震で山がもろくなっていて、大雨が降って土砂や岩、それから流木ですね、それがたまってせき止めて川の流れを変えて、より氾濫しやすくなっている状況に陥っていたと思います。

地震でもろくなった山で起きる「土砂崩れによる川のせき止め」。
実際に、濁流が流れ込んだ地域では、大量の流木が住宅地を覆い、近くを流れる川をせき止めていました。

また、地震による液状化で下水管にも被害が出ており、応急的に修理はしていたものの、排水処理能力を超えてしまった可能性があるといいます。

雨がやんだ後も注意が必要

災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏に、氾濫の原因と今後注意すべきポイントを詳しく聞きました。

――ここまで多くの河川が氾濫した要因は何が考えられますか?
災害危機管理アドバイザー 和田隆昌氏:
第一義的には、降水量が多かったということだと思うのですが、この地域は、特に大きな地殻変動が起きているので、堤防が下がっているというお話がありましたが、海側は上がっているんですよ。そうすると、川の流下能力が落ちますので。

――雨がやんだ後も注意すべきポイントは?
やはり浸水被害の後というのは、泥のかき出し作業があるのですが、感染症、特に破傷風などに気をつけていただきたいです。汚泥というのはいろいろなものが入っているので、気をつけて作業してほしいです。けがをした足で泥水に入らないように。

――今後どうしていけば良いのでしょうか?
被害が起きてから対処するということが基本になってしまっているので、それよりも、リスクはある程度、実際は分かっているんです。それを住民に伝えると同時に、掌握していく、人口もこれから変わっていきますので、そういった作業をしないと被害は続けて起きます。
(めざまし8 9月23日放送)