白人至上主義を掲げ、政府高官や活動家などを暗殺対象としてリスト化していたアメリカ人2名が逮捕・起訴されました。容疑者はチャットサービス「Telegram」のチャンネルを管理・運営し、テロを企てていたとされています。

Office of Public Affairs | Leaders of Transnational Terrorist Group Charged with Soliciting Hate Crimes, Soliciting the Murder of Federal Officials, and Conspiring to Provide Material Support to Terrorists | United States Department of Justice

https://www.justice.gov/opa/pr/leaders-transnational-terrorist-group-charged-soliciting-hate-crimes-soliciting-murder



“HAIL HOLY TERROR”: Two US citizens charged for running online “Terrorgram Collective” | Ars Technica

https://arstechnica.com/culture/2024/09/hail-holy-terror-two-us-citizens-charged-for-running-online-terrorgram-collective/

Indictment Shows How Online Groups Allegedly Encourage and Solicit Extremist Acts

https://www.asisonline.org/security-management-magazine/latest-news/today-in-security/2024/september/indictment-provides-insight-into-white-supremacist-terror/

アメリカ政府によると逮捕されたのはカリフォルニア州エルクグローブに住むダラス・ハンバー(34歳)とアイダホ州ボイシに住むマシュー・アリソン(37歳)で、彼らはTelegramの「Terrorgram Collective」というチャンネルの運営に携わっていた疑いが持たれているとのことです。

このチャンネルには、「白人の敵」と見なされた政府高官や活動家の暗殺対象リストや、他人を殺した「聖人」を賛美する自作のビデオ、変電所の変圧器等のインフラを破壊するための指示などが掲載されていて、具体的に爆弾の作り方を解説する動画が投稿されたり、「HAIL HOLY TERROR(聖なるテロ万歳)」などのキャッチフレーズが飛び交ったりしていたそうです。



参加者は「白人至上主義的な加速主義」を推進しており、既存の政府システムを崩壊させ白人国家主義的な国家を樹立するためには、社会を内戦や終末的な対立へと扇動しなければならないと考えていたと伝えられています。暗殺対象リストには民間企業や非政府組織のリーダーも含まれており、その多くが人種や宗教、出身国、性的指向を理由に標的となっていました。

政府は、2022年にスロバキアのブラチスラバにあるLGBTバーで2人を殺害したとされるスロバキア人(19歳)や、ニュージャージー州の変電所を攻撃する計画を立てたとされるアメリカ人(18歳)、トルコのエスキシェヒルでカフェにいた5人の客を刺したトルコ人(18歳)など、実際に起きた複数の事件の犯人が当該グループに関与していた可能性があるとして調査を進めています。



容疑者2名は共謀罪や憎悪犯罪教唆罪、爆弾製造の指示を配布した罪など計15件で起訴されていて、すべての容疑で有罪判決を受けた場合、それぞれ最高220年の禁錮刑に処されることになります。