4回無死一塁、右飛に倒れた岡本和真は坂本勇人(左)と言葉を交わす(カメラ・義村 治子)

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◆JERA セ・リーグ 阪神1―0巨人(22日・甲子園)

 巨人は初回の攻撃があまりにも痛かった。無死二塁で浅野が送りバントを決められず。走者の丸と、二塁を狙った浅野がアウトに。三塁側からスピーディーに二塁方向へ丸を追い込んだ佐藤輝の動きがよかった。

 坂本も悔しい思いをしたはずだ。2、4、6回と、得点圏に走者がいる場面ですべてフライアウト。本来得意なはずの内角球を捉えきれなかった。一人の選手を責めても仕方ないことだが、才木との相性がいい大城卓を一塁で先発させて、岡本和を三塁とするオーダーもありだったのではないか。

 大一番になればなるほど「先取点を取ること」が大事になる。菅野もそれが分かっているから、感情をむき出しにして、ピンチを切り抜けるたびにガッツポーズしていた。内外角に巧みに投げ分け、100球を超えても直球の球速は150キロ近かった。見事な完投だったが、結果的に先取点を奪えなかったことで試合が決まってしまった。

 上位にいるのだから現時点ではまだ巨人が有利だ。岡本が振れている。丸、吉川も好調。得点にはつながらなかったが6回先頭で雪辱の二塁打を放った浅野も、価値ある一打だった。とにかく切り替えて、目の前の試合を全力で戦うことだ。そして「先取点」が勝負を分けるのは23日も同じ。先発のグリフィンがどれだけ粘れるか。すべてはそこにかかっている。(スポーツ報知評論家・金村義明)