ヘディングで競り合う札幌FW鈴木(右から3人目)(カメラ・砂田 秀人)

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◆明治安田J1リーグ 町田0―0札幌(21日・Gスタ)

 北海道コンサドーレ札幌が首位相手にゴールを割らせず、勝ち点1を上積みした。アウェー・町田戦は前半から好機をつくられるも、体を張ってピンチを防ぎ続け、0―0で引き分けた。前半終了間際にMF宮沢裕樹(35)、後半43分にはGK菅野孝憲(40)が負傷交代するアクシデントはあったが、一丸となって戦い抜き、逆転残留への望みはつないだ。

 札幌が耐えに耐え、勝ち点1をつかみ取った。序盤から町田ペースで試合が進み、後半ロスタイムは自陣ゴール前に釘付けになった。それでも集中力を維持し続け、スコアレスドローに持ち込んだ。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)は「今の状況下で満足できる結果ではなかったが、体を張ってゴールを割らせず、首位相手に勝ち点1を取れたことは評価したい」とうなずいた。

 対策が功を奏した。長いパスからセカンドボールを回収する相手の強みに対し、普段よりは前線からボールを奪いに行かなかった。引き気味に守り岡村らが高さで競り合った後のボールには皆で速く寄せ、はじき返した。試合前日20日の紅白戦では、合間にセットプレーを入れて攻守の動きを確認する、今までない形を取り入れた。整えてきた準備が、勝ち点上積みにつながった。

 前半終了間際に宮沢が負傷し、後半43分には守護神・菅野が負傷退場した。ベテラン2人を欠く事態も、右膝手術を乗り越え、昨年9月23日以来のリーグ戦出場となった深井一希(29)が後半6分から舵取り役を務め切り、J1デビューとなったGK児玉潤(27)は積極的なプレーでゴールを死守した。19位の順位は変わらないが、残り7戦へ、連敗しなかったことは大きな意味を持つ。(砂田 秀人)