試合を決める一打を放ち、喜びを爆発させるソフトバンク・柳町達(中)

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 ソフトバンクは21日の楽天戦(みずほペイペイ)に3―2で逆転サヨナラ勝ち。日本ハムが敗れたため優勝マジックは「2」となり、ついに4年ぶりのVに王手をかけた。

 劇的な結末だった。打線は相手先発・滝中の前に先頭打者を出すものの、なかなか好機を広げられず。小久保監督が「すごい重苦しい雰囲気だった」と語るように試合は進んだ。

 その雰囲気を一変させたのは鷹の主砲だった。7回の第3打席で山川は3球目の変化球を完璧に捉えると、しばかれた打球は左翼席へ。追撃の32号ソロはプロ通算250号のメモリアルアーチとなった。

 ドラマが起こったのは9回だ。二死一、二塁の場面で打席には正木に代えて代打・柳町。指揮官は「正木でというのも、ちょっとよぎったが、ここ最近の状態を見た時に、確率が高いのは柳町かなと」と勝負にいった采配だった。

 その柳町は、守護神・則本の前に2球で追い込まれたが、5球目の真っすぐを振り抜くと、打球は左翼手の頭を越える劇的な逆転サヨナラ2点三塁打となった。小久保監督はサヨナラの瞬間に大きく拳を振り下ろし渾身のガッツポーズを繰り出し、喜びを爆発させた。

 試合後の取材では目頭を熱くする場面も。「今年一番興奮しました」と試合を振り返り、「滝中のコントロールのついた打てそうで打てないところの(投球)。今日の試合だけじゃなく明日以降にも少し引きずりそうな重たい雰囲気があったので、それが勝ちにまでつながったのが本当に大きい」とうなずいた。

 この日の試合は孫オーナーも観戦。鷹の総帥の前で最高の試合を届けた。22日にも小久保監督が宙に舞い、美酒を浴びる――。