MicrosoftのARM搭載Copilot+ PCで約1300のゲームをテストしたところ、スムーズに動作したのは約半分だけ
Microsoftは、Windows 11に標準搭載されるAIアシスタント「Copilot」をはじめとするAIの実行に適したPCを「Copilot+ PC」とカテゴライズしています。Microsoftや他のパートナー企業から続々とCopilot+ PCが発売されていますが、そうしたPCでは多くのゲームがうまく動作しないことが判明しました。
Microsoft Rolled Out AI PCs That Can’t Play Top Games-and There’s No Quick Fix - WSJ
Microsoftが2024年5月に発表した「Copilot+ PC」に対応した最初のPCモデルとして、Acer・ASUS・Dell・HP・Lenovo・Samsungといった大手PCメーカーが複数のCopilot+ PC対応モデルを発表しました。これらの初期のCopilot+ PC対応モデルは、QualcommのArmアーキテクチャを採用したチップであるSnapdragon X EliteあるいはSnapdragon X Plusを搭載しています。
発売後、正しく動作しないアプリが多数あることが判明。Samsungは韓国語版の製品ページに「記事作成時点では互換性がない、またはインストールできないと判断されたアプリケーションのリスト」を掲載しました。
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リーグ・オブ・レジェンドやフォートナイトなど、ゲームの多くは長年Windowsの標準アーキテクチャであったIntelのx86で動作するように作成されています。こうしたx86向けのアプリケーションをArmアーキテクチャのチップで動作させるには対応アーキテクチャを変換するソフトウェアを介する必要があるものの、なかなか完璧に変換することは難しいとのこと。
リサーチ企業のOMDIAの調べでは、約1300個のPCゲームについてマイクロソフトの新たなArm搭載PCで動作するかを確認したところ、スムーズに動作したのは約半分にすぎませんでした。
マイクロソフトとQualcommは「多くのゲームはすでに変換レイヤーを使用せずにArm搭載PCで動作している」としつつも、特にグラフィック要件の厳しいゲームを中心にArm搭載PCでは動作しない可能性があることを認め、「高性能なゲーム体験を求めるプレイヤーはゲーム用に最適化された別のPCを選択できる」と述べています。
専門家の分析によると、ゲーム本体の実行は問題なくとも、「League of Legends」「Destiny 2」「Fortnite」「Apex Legends」「PUBG : Battlegrounds」など一部のゲームでは組み込まれている不正行為防止のためのソフトウェアに互換性が無いことでゲームの実行ができなくなっている場合があるとのこと。この問題はチップの基本的な構造の都合上、簡単なソフトウェアパッチで解決することはできないため、早期に問題が解決することは見込めないと述べられています。
その他、SteamやXboxアプリなどのゲーム配信プラットフォームがArm版ソフトウェアの配布に対応していないという問題も指摘されています。
2024年9月3日にIntelがCopilot+ PC用チップとして「Core Ultraモバイル・プロセッサー シリーズ2」を発表しており、2024年9月後半にはPCメーカーからIntel搭載のCopilot+ PCが登場すると見込まれているため、AI機能とゲームの両方を楽しみたい場合にはしばらく購入を待った方が良さそうです。
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