やり投げで金メダルの北口榛花(C)共同通信社

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 パリ五輪閉会式が日本時間12日に行われ、17日間の熱戦が幕を閉じた。

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 日本が獲得した金メダルは20個で米国、中国の40に次いで3位。銀12、銅13を含めた計45個のメダル獲得は、これまでの海外開催最多だった2016年リオの41個を上回る躍進ぶりだった。

■報奨金トップは体操岡慎之助で1770万円

「報奨金では泣き笑いがありました。日本のメダリストへの報奨金はJOC(日本オリンピック委員会)が定める金500万円、銀200万円、銅100万円。他に各競技団体が独自に設定しているものがあり、体操男子で団体総合、個人総合、種目別鉄棒で『3冠』に輝き、種目別平行棒で銅メダルを獲得した岡慎之助(20)がJOCと日本体操協会から合わせて計1770万円の報奨金を手にする。10日の女子やり投げで陸上競技ではマラソン以外で初の女子金メダリストとなる快挙を果たした北口榛花(26)は、所属先からのボーナスは別として、JOCからの500万円と日本陸連からの300万円の計800万円。陸連は16年リオ、21年東京で『金メダルに2000万円』としていた報奨金を今回のパリで300万円に減額していた。東京大会の基準なら北口が2500万円でトップになるはずでした」(放送局関係者)

 柔道や水泳、スケートボードには競技団体からの報奨金がないだけに、陸上はあるだけマシか。

 しかし、世界はケタが違う。

 体操男子の種目別ゆかと跳馬でフィリピン男子選手初の金メダルを獲得したカルロス・ユーロ(24)は、政府から約2500万円、国会から1500万円、さらに不動産会社から9000万円の高級別荘がプレゼントされるなど、話題になっている。

「香港が最高額と言われ金メダリストに約1億1800万円、イスラエルが4230万円、セルビアが3350万円、イタリアが3010万円。毎度のことですが、『日本選手は努力と感動の対価が少ない』との声が出ています」(同)

 とはいえ、だ。

 各競技団体には、パリ五輪に向けた「競技力向上事業費」だけで、22年度は101億円もの予算が国から計上されている。

 これは、自国開催だった東京五輪の21年度予算103億円と同水準で、スポーツ庁が発足した当時の15年度予算(74億円)の約1.5倍。右肩上がりが続いている。

■国からの100億円超の支援金で金メダル量産

 個人エペで日本フェンシング初の個人種目金メダルを獲得した加納虹輝(26)を筆頭に、金メダル2個を含む5個のメダルを獲得するなど躍進したフェンシングには、23年度8月期決算で3億1544万円超の補助金が国から出ていることが公表されている。08年北京大会銀メダリストで元日本フェンシング協会会長の太田雄貴氏も、「JOC、国の税金で強くなっていったのが実態としてある」とメディアの取材に答えている。

 スポーツ庁が今年5月に発表した「重点支援競技」は、そのランクによって助成金が増額され、最上位のSランクにはフェンシング、柔道、レスリング、体操ブレイキンの5競技が選ばれた。続くAランクには卓球、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィン、水泳、バドミントン、自転車競技、バスケットボール、陸上競技、ウエートリフティングの10競技が選出。今回のパリ五輪で日本が獲得した45個のメダルのうち、この15競技で実に40個のメダルを量産した。

 選手個々の努力と奮闘もさることながら、国からの支援がメダル獲得に大きく寄与しているとすれば、その恩恵にあずかるアスリートも報奨金の多寡に文句は言えないだろう。

 ただし、「国からの支援があっても、実際の台所事情は火の車、という競技団体は少なくないのが実情です」とスポーツライターの津田俊樹氏がこう続ける。

「例えば、スポーツ庁が定める重点支援競技のSランクに位置づけられるレスリングは、23年度の決算で約4400万円の赤字になっています。Aランクの陸上競技も、連盟の懐事情は厳しい。国からの支援体制に変わりはなくとも、多くの競技団体が21年東京五輪前後からのスポンサー離れに頭を抱えています。日本陸連は学生を含む一般競技者の年間登録料の値上げに踏み切っています。尾県専務理事は『スポンサー頼みだったが、今の収益構造では陸連の機能が止まってしまう』とまで言っている。

事業の縮小と合わせてどうにか当座をしのいでいるというのが現状です。東京五輪はコロナ禍による1年延期に加えて、組織委員会やスポンサー、広告代理店の電通などさまざまな不正、スキャンダルが露呈した。企業の五輪離れが加速し、スポンサー集めを担っていた電通が身動きが取れなくなったことも競技団体にとっては打撃となっている。各競技団体の財政を考えれば、4年後の28年ロス大会で、日本がパリと同じように躍進できるのか、不安要素が大きいのが実情です」

 東京、パリとメダルラッシュに沸いた日本だが、ロスでは厳しい現実を突きつけられる可能性もある。

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 大いに盛り上がったパリ五輪。ところで、アスリートが過ごした選手村で、今大会ではいったい何万個の避妊具が配布されているのか。オリンピアンが語った選手村の「衝撃の実態」とは、どのようなものなのか。 

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