フランスに銀メダルをもたらしたアンリ監督。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 望んでいたフィナーレではなかった。だが、自分たちの戦いを誇りに思う。

 ティエリ・アンリ監督が率いるU-23フランス代表は現地8月9日、パリ五輪の決勝でU-23スペイン代表と対戦。延長戦の末に3−5で敗れた。

 開始11分にエンツォ・ミロの得点で先制。だが、18分、25分、28分に失点。前半で1−3とされる。2点ビハインドで迎えた後半、79分にマグネス・アクリウシェのゴールで1点差に詰め寄ると、90+3分にジャン=フィリップ・マテタのPKで追いつく。

 土壇場で3−3とし、延長戦に突入。逆転を狙ったが、100分に勝ち越し弾を奪われると、終了間際にも被弾。金メダルには届かなかった。

 現地メディア『onze MONDIAL』によれば、アンリ監督は「ご覧のとおり、私たちは最後まで戦った。このチームは常に戦ってきた」とコメント。次のように続ける。

「最後のゴール、理解できるよ。20分間ためらった瞬間があり、そこで多大な犠牲を払った。一瞬の不注意による4点目のゴールのようにね」
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 壮絶な点の取り合い。「クレイジーな決勝戦だ」と指揮官は語り、「私たちはメダリストだが、残念ながらオリンピックチャンピオンではない」と悔しさを滲ませる。

 それでも、成し遂げたことに胸を張る。

「チームについては何も言うことはない。最後まで戦ったんだ。銀メダル? 試合が終わったばかりだから実感するのが難しいけど、それでも素晴らしいストーリーだ」

 ホスト国のプライドを懸けて、力の限りを尽くした。それは間違いない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部