広島の精神が平和達成の鍵
ダライ・ラマ14世らノーベル平和賞受賞者3人が集い、広島市中区のアステールプラザで開かれていた「広島国際平和会議2006」(同会議実行委員会主催)が2日、閉幕した。“平和の巨匠”がそれぞれの経験に基づいて平和についての提言などを行った後、共同宣言に署名した。
共同宣言では、原爆投下による破壊と恐怖から立ち直った広島の人びとが、復興に成功して平和な“今”を作ったことに言及。「この街がもっている精神である『許し』と、『報復はしない』と決意したことに人類すべてが注目してほしい」と訴えている。また、「すべての人がお互いに依存していることを認めることが、あなた自身の幸せだけでなく、他者の利益のためには不可欠なのです」と述べ、他者への思いやりが平和の達成の鍵となる第一歩だとした。
最終日となった2日には、南アフリカでアパルトヘイト撤廃のために立ち上がり、1984年にノーベル平和賞を受賞したデズモンド・ツツ大主教が基調講演し、「広島の戦後史こそが、和解の実践例だ」と賞賛。同氏は「最も近い関係にある家族の中でさえも、解決すべき問題をそのままにしていることが多い。“I am sorry(ごめんなさい)”と認めることが、過去の出来事を“憎しみ”から“過ぎたこと”にできる唯一の方法である」と力を込めた。
会議終了後、ラマ師、ツツ大主教と、北アイルランド紛争で子どもの支援を続けるベティ・ウィリアムズ氏は、同市の平和記念公園を訪れた。原爆慰霊碑で「安らかに眠ってください。過ちは繰返しませぬから」と書かれた碑を見つめ、平和を祈って献花した。【了】
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会議終了後、ラマ師、ツツ大主教と、北アイルランド紛争で子どもの支援を続けるベティ・ウィリアムズ氏は、同市の平和記念公園を訪れた。原爆慰霊碑で「安らかに眠ってください。過ちは繰返しませぬから」と書かれた碑を見つめ、平和を祈って献花した。【了】
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