PHOTO BY タカギユウスケ

写真拡大

【その他の画像・動画を元記事で見る】

■結成からわずか3年10ヵ月での日本武道館単独公演

結成からわずか3年10ヵ月。4人組バンド、ねぐせ。が初の日本武道館単独公演「ファンタジークライマックス」を行った。

少し緊張した面持ちのりょたち(Vo・Gu)、なおや(Gu)、しょうと(Ba)、なおと(Dr)がステージに現れると、大きな歓声が上がった。りょたち&なおや&しょうとがなおとが座るドラムセットに近寄って、呼吸を合わせてバンドアンサンブルを奏でた。「愛してみてよ減るもんじゃないし」からライブをスタートさせた。

りょたちが「武道館、暴れようぜ!」と言って、なおとがパワフルなドラミングをしながら声をからさんばかりのカウントアップをして、ねぐせ。の史上一番速い楽曲「あの娘の胸に飛びこんで!」に突入。なおやとしょうとは勢い良くステージ前方に飛び出し、できるだけ近い距離でオーディエンスに生の音を届けようとする。その後のMCで、りょたちが「日本武道館までやってきました。名古屋のフォーピースバンド、ねぐせ。です!」と言った後、メンバーに話を振ると、なおやが「緊張してないつもりだったんだけど、朝6時に目覚めるし、ステージに立ってもまだ全然喋れない。頑張ります!」と言ったかと思ったら、なおとも「2日前から緊張して寝れてない」と告白した。

■ねぐせ。のステージに漂う幸福感は、小さなライブハウスだろうと武道館だろうとみるみるうちに広がっていく

その後4人は徐々に緊張が解けていったのか、どんどん笑顔になり、どう見ても楽しそう。もちろんその笑顔はオーディエンスに伝播し、曲間ではメンバーの名前を大声で叫ぶオーディエンスが続出。ねぐせ。のステージに漂う幸福感は、小さなライブハウスだろうと武道館だろうとみるみるうちに広がっていく。その幸福感はシェアする人数が多ければ多いほど、エネルギーが強靭になっていくことが証明されていった。

中盤、りょたちが「これからはみんなとガンガン歌えるセットリストになっています。次はバラードなんだけど、今回のツアーでずっと一緒に歌ってる大切な曲。あなたの声を聞かせてください」と言って、ビジョンにリアルタイムの武道館の客席と歌詞が映る中、「彩り」が披露された。なんてことはない日常でも二人で過ごせば遊園地になるし、ライブハウスにもなる──。そんな幸せで彩られた日々を綴った歌を9000人近くのオーディエンスが大声で歌った。この曲はZ世代のラブソングアンセムなのだ。りょたちはたくさんの歌に思わずうれしそうな声を上げたあと、「まだまだ歌うぜ!あなたの力強い声も聞きたい」と言って、「ベイベイベイビー!」へ。1フレーズ歌った後、演奏を止め、オーディエンスとりょたちの声だけが武道館に響いた。なおとはドラムセットから立ち上がり、ステージ上手の花道に行き、両手を耳にあて、オーディエンスの歌を目一杯聞こうとする。自己肯定感は思いっきり低いし、孤独感は深いけど、それをこうやってロックに乗せて多くの人と共有することで、一気に気分が上向きになるようなマジカルさがあった。りょたちが「武道館全員の『生きてみたい』が聞きたいんですけどいけますか?」と言うと、特大の「生きてみたい」という声が響きわたった。

■どんどんタガが外れていく4人にもちろんオーディエンスは呼応した

「死なない為の音楽よ」「スーパー愛したい」でガンガンに盛り上げた後は、本日二回目の「あの娘の胸に飛びこんで!」に雪崩れ込んだ。しょうとはドラムセットの前を横切り、床に倒れこんでベースを鳴らした。どんどんタガが外れていく4人にもちろんオーディエンスは呼応した。たくさんの歓声に対してりょたちが「聖徳太子じゃないから(笑)」と突っ込んでいた。

りょたちの口から、ここには8750人が来場してソールドアウトだということや、今日の舞台装飾がねぐせ。の始まりの場所であるライブハウス、新栄RAD SEVENの床を再現したことが伝えられた。続けて、「結成から3年10ヵ月だけど、最初のライブから来てくれる人を見るとうれしい。バンド仲間の人たちがきてくれたり、関係者の方がきてくれたり、愛されているということを実感しています。今日が新しい第一歩になると思っているので、これからもねぐせ。を応援してくれるとうれしいです」と充実した表情で話した。

間奏でりょたちが「君のために作った曲がこれだけたくさんの生活に寄り添えるようになった」と言った「日常革命」、4人のアカペラがエモーションを高めた2024夏の高校野球応援ソング/『熱闘甲子園』のテーマソング「ずっと好きだから」に続き、本編ラストはTikTokで大きなバズを巻き起こした「グッドな音楽を」。勢いよく銀テープが飛び、多幸感が爆発する中で、オーディエンスはお馴染みのキュートなダンスを踊り、合唱を響かせた。

■やっぱりねぐせ。は笑顔のバンドだ

アンコールの2曲目、「最愛」の終盤で一気に照明が明るくなり、拳を思いっきり突き上げるオーディエンスの姿がはっきりと目に入った後、りょたちが「やる予定なかった曲やる。これで終われんわ」と言って、本日3回目の「あの娘の胸に飛びこんで!」を披露。全力を使い果たすかのようなシャウトが響き、武道館中に満面の笑顔が広がった。やっぱりねぐせ。は笑顔のバンドだ。この日がライブ初披露の新曲「ずっと好きだから」や、アンコールで披露した新曲「ダーリン」を収録した1st EP『愛と哀のファイト!』を8月7日にリリースし、ツアー『NEGUSE. “RINGER’S TOUR” 2024』が10月から始まることがステージ上から告げられた。どこまでその笑顔の渦を広げるのだろう。

TEXT BY 小松香里
PHOTO BY タカギユウスケ(*メイン写真)、オオツボユウガ

ねぐせ。日本武道館単独公演「ファンタジークライマックス」
2024年6月13日 日本武道館
セットリスト
1. 愛してみてよ減るもんじゃないし
2. タイムマシンにのって
3. めちゃくちゃ好きな人を愛すように世界を愛して!
4. あの娘の胸に飛びこんで!
5. 秋の終
6. 愛煙家
7. 独占愛
8. スウェット
9. 恋と怪獣
10. 彩り
11. ベイベイベイビー!
12. 死なない為の音楽よ
13. スーパー愛したい
14. あの娘の胸に飛びこんで!
15. 恋夜
16. 日常革命
17. ずっと好きだから
18. グッドな音楽を
アンコール
en1. ダーリン
en2. 最愛
en3. あの娘の胸に飛びこんで!

リリース情報

2024.8.7 ON SALE
EP『愛と哀のファイト!』

「ずっと好きだから」先行配信中
https://kmu.lnk.to/zutto

ライブ情報

NEGUSE. “RINGER’S TOUR” 2024
10月18日(金) 神奈川 KT Zepp Yokohama
10月26日(土) 広島 BLUE LIVE
11月2日(土) 宮城 GIGS
11月4日(月祝) 新潟 新潟県民会館 大ホール
11月9日(土) 香川 高松festhalle
11月10日(日) 福岡 Zepp Fukoka
11月15日(金) 名古屋 Zepp Nagoya
11月16日(土) 名古屋 Zepp Nagoya ※ゲストあり
11月23日(土) 北海道 Zepp Sapporo
11月29日(金) 大阪 Zepp Osaka Bayside
11月30日(土) 大阪 Zepp Osaka Bayside ※ゲストあり
12月6日(金) 東京 Zepp Haneda
12月7日(土) 東京 Zepp Haneda ※ゲストあり

ねぐせ。OFFICIAL SITE
https://neguse.jp/