『ひゃくえむ。』劇場アニメ化で2025年公開 (C)魚豊・講談社/「ひゃくえむ。」製作委員会

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 漫画『ひゃくえむ。』(作者:魚豊)が2025年に劇場アニメ化されることが決定した。あわせて作者・魚豊氏による描き下ろしイラストとコメントが到着し、アニメーション制作はロックンロール・マウンテンが担当する。

【画像】ネット話題作!公開された『ひゃくえむ。』書影イラスト

 同作は、陸上競技の世界で、「100m」というわずか10秒間の一瞬の輝きに人生を懸けた人間たちの栄光と挫折を描いた情熱の物語。100メートルの距離を『時間に権力を与える』『人間の価値を決める』と表現し、「100メートルだけ誰よりも速ければ(世の中)全部解決する」と持論を展開する“瞬足だけが取り柄”の小学6年生・トガシと、根暗な転校生で走るのが遅い小宮が織りなす人間ドラマを展開している。

 『チ。-地球の運動について-』で、手塚治虫文化賞マンガ大賞を史上最年少受賞した新鋭・魚豊の連載デビュー作で、漫画アプリ『マガポケ』にて2018年に連載がスタートした。

 今回の劇場アニメで監督を務めるのは、長編第1作『音楽』で「アニメ界のアカデミー賞」と呼ばれる米アニー賞ノミネートはじめ国内外の多数の映画賞で高い評価を受け、20年の劇場公開では9か月に渡るロングラン上映を果たし、映画界はじめ多くの著名人にもファンを持つ気鋭のクリエーター・岩井澤健治。

 公開された特別イラストには、青空の下、トラックの上に立つ主人公・トガシの姿が描かれており、穏やかでありながら、どこか憂いを帯びた目線の先に「最速」に挑む男達の熱い戦いを予感させる。

 魚豊は「『距離』に翻弄された登場人物達は、漫画とは違った映画という『時間』を通して、どのような『速さ』を出力するのか。私も鑑賞者の1人としてワクワクドキドキ、出走を待望しております」とコメント。岩井澤監督は、「“走る”とはシンプルだからこそ、表現することの難しさを日々感じつつ辿り着いたイメージを形にしていっています」と意気込んでいる。

 なお、『ひゃくえむ。』は、世界最大規模のアニメーション映画祭として知られるアヌシー国際アニメーション映画祭の「Work in Progress」部門への選出が決定。現地時間6月11日には、岩井澤監督らが登壇し、現地の映画ファンや世界の映画関係者に向け、現在制作進行中である本作のプレゼンテーションを行う。

 なお、ORICON NEWSは2019年にコミックス第1巻が発売される際、魚豊氏に独占インタビューを実施しており、作品については「2016年に開催されたリオ五輪の100メートル走をテレビで見ていた時に、ある選手がフライングをして失格になってしまった。フライングをしてもやり直しができると思ったら退場となり、「少しのズレで約10秒間を走らせてもらえないのか。次の五輪出場があるかわからないのに…」とショックを受けた。と同時に、「9秒を制して誰よりも早く駆け抜ければ、とんでもない収入が得られて、世の中のある程度のことが解決できる」と思いました。その緊張と高揚が凝縮されたものが作品のテーマになると考えたのがきっかけです」と説明。

 「スポーツ漫画だと「部活」や「チーム」に入っている主人公の物語が描かれることが多いと思いますが、クラブ活動もしていない小学生を主人公にすることで、誰もが100メートルを全力で走ったことがあるであろう小学校時代を思い出してもらい、親しみやすくしたかった。僕はスポーツとは無縁の人生で、走るのも苦手。でも、だからこそ、自分なりに『スポーツの存在意義』を考えて描きました。競技というよりは人間ドラマとして描いたつもりです」と伝えていた。

■スタッフ情報
原作:魚豊「ひゃくえむ。」(講談社『KCデラックス』所載)
監督:岩井澤健治
キャラクターデザイン・作画監督:小嶋慶祐
美術監督:山口渓観薫
プロデューサー:寺田悠輔、片山悠樹、武次茜
アニメーション制作:ロックンロール・マウンテン
製作:ポニーキャニオン、TBSテレビ、アスミック・エース