●番組おなじみのコーナーで一体に

テレビ朝日のバラエティ番組『テレビ千鳥』(毎週木曜24:15〜)初のイベント「テレビ千鳥初ライブ コケたら即終了 幕張メッセ押さえちゃったんじゃ!!」が、4月29日(15:00開場/16:00開演)に千葉県・幕張メッセ イベントホールで開催された(「テレ朝動画」と「FANY」でアーカイブ配信中<配信チケット:3,000円>)。

サプライズで新作漫才を披露した千鳥=テレビ朝日提供

○大悟の太鼓パフォーマンスで幕開け

『テレビ千鳥』は、2018年に単発特番(初回のタイトルは『千鳥の大クセ写真館』)として誕生し、2019年4月にレギュラー放送を開始した。今回は初の番組イベントということもあってか、6,000人というキャパにもかかわらずチケットは完売御礼。配信でも多くのファンが見守った。



開演時間の16時になり、ノブがステージに登場すると、オンラインでは売り切れになるほどの人気ぶりを見せたタバコ型ペンライトの光と大きな拍手に迎えられた。しかしステージにいるのはノブ一人。「大悟がいなくて困ってます。大悟ー!」と呼ぶと、紗幕にシルエットが映り、幕が下りるとねじりはちまきを角のように巻いた和服姿の大悟が。「正気かこいつ? 何のつもり!?」とノブが驚くなか、凛々しい顔で「いよ〜!」と叫び、和太鼓を叩き始める。プロ太鼓パフォーマーの二人の力強い音に支えられながら、大悟もバチが折れるほどの熱いパフォーマンスを披露。「どんなオープニングアクトやねん!」とノブ。スケールの大きさを感じさせる壮大なオープニングで幕開けだ。











○「ネコか? ノブか? ゲームin幕張メッセ」

最初のコーナーは、「ネコか? ノブか? ゲームin幕張メッセ」。かつて嵐の松本潤も参加した人気企画で、こたつの中から出てくるのは、ノブか、ネコかを予想するクイズとなっている。ノブは「6,000人の前でやるものじゃない」と不安げな表情を浮かべるが、観客も配布されたうちわでネコかノブかを一緒に予想するという、リアルイベントならではの参加型スタイルで行われることに。さらに、ネコではなく、ノブが得意とする『半沢直樹』の黒崎駿一(片岡愛之助)かノブかを予想する場面も。「黒崎やって」と書いた自作うちわを持ってきたファンがいるほど大人気の黒崎を生で見たいという願いは届いたのか。





○「宮迫さんのラヴ・イズ・オーヴァーを聞きたいんじゃin幕張」

2つ目のコーナーは「宮迫さんのラヴ・イズ・オーヴァーを聞きたいんじゃin幕張」。2023年に放送されて反響を呼んだ企画で、元雨上がり決死隊の宮迫博之が自身のYouTubeチャンネルでカバーした動画を公開している欧陽菲菲の「ラヴ・イズ・オーヴァー」を最後まで笑わずに聞くことができるか、というチャレンジもの。放送では失敗してしまったので、イベントで満を持してのリベンジとなる。











このコーナーには、FUJIWARA、ケンドーコバヤシ、麒麟の川島明が登場し、客席からは大歓声が。藤本といえば、先月のオンエアで、秋に収録した「大運動会」が活動休止の影響でお蔵入りとなりかけたことが明かされたばかり。あたたかい拍手で出迎えられた藤本は、謝罪を兼ねてあいさつした。このコーナーにも大悟は参加型にこだわり、「6,000人で頑張りたい。お客さんも笑ったらダメ。先輩がただただ本気で歌ってるだけなので、面白いわけがないんです」と呼びかける。歌手がレコーディングをしているかのように、歌詞カードに注意すべき箇所を書き込んでいく一同だが、観客も笑いを堪えられていない瞬間が何度も見受けられたが、果たして先輩・宮迫の歌を最後まで聞くことはできたのか。









○「ヌートバー野球盤大喜利」

3つ目の企画「ヌートバー野球盤大喜利」には、ケンコバ、川島と、新たに博多華丸・大吉の博多大吉、ダイアンのユースケが参加。大喜利の回答でヒットやホームランを狙い、得点を稼いでいくこの企画。お題が順番に出題され、ヒットが出ると客席からはヌートバーを真似した「ヌー!」の声やペッパーミルポーズが。まさに6,000人が一体となった大喜利企画となった。







○「春服を買いたいんじゃin代官山」

ここまで、セット転換中にはVTR「春服を買いたいんじゃin代官山」が展開。代官山と原宿のオシャレな店舗をめぐり、大悟が幕張に来た6,000人がうなるような私服を探す。最終的に大悟が自腹で購入した服で登場するということで、ノブが一人でステージで迎えるが、袖にいる大悟を見て笑い出すほどツボにハマってしまうことに。

続いてのコーナーは「芸能人入待ちクイズin幕張」。何度も放送された人気企画にFUJIWARA、ユースケを迎え、観客と共に今回は津田の私服を予想する。最近の津田はハイブランドを好んで着用しているようで、大悟が「スニーカーはGUCCIかPRADA」と予想すると、ユースケは「Diorもはいてます」と言い、短パンのブランド名まで具体的に挙げる。大悟は「相方の短パンのブランドまで把握してるの?」とビックリ。ユースケを筆頭に、千鳥の二人からも具体的なアイテムが挙がる。いざ津田がステージに現れると、演者と6,000人の観客が驚くことに。

●ノブらの熱唱のあと、サプライズ漫才が

○大悟サンタ、スタンド席に登場

続いてはなんと大悟サンタがスタンド席に登場し、客席からはアイドルのコンサートのような黄色い声が上がった。街では一般人に、スタジオではタレントに予期せぬプレゼントを贈る大悟サンタだが、イベントでもいつもの調子で「人妻いるー?」と呼びかけながら、ノブと共に客席を闊歩。デカい灰皿やタバコと、その場で書く直筆のクリスマスカードをプレゼントしていく。高級ブランドのグラスなど、高価な商品で客席を驚かせながら、「メリークリスマス!」と陽気に去っていった。



最後のコーナーは「テレビ千鳥音楽祭」。これまで番組で、米津玄師の「Lemon」や、B’zの「いつかのメリークリスマス」に挑戦し、うまく歌えなかったり、“ゴリゴリにすべる”の最上級「ゴリゴリゴリゴリ」を見せてきたノブだが、今回はゆずの「栄光の架橋」にチャレンジすることに。VTRでは、一カ月の猛特訓の様子や、“コンビ愛ストロー”などの秘策が映し出され、いざ幕張メッセの6,000人、ケンコバ、川島の前へ。ノブと共に、ユースケ、大吉も歌を届けることに。



黄色いタキシードに身を包んだユースケがステージのセンターに立つと、客席は黄色いペンライトに染まった。ユースケが歌うのは、星野源の「恋」。間奏でユースケがダンサーと共に“恋ダンス”を披露すると、大きな歓声が上がった。そんな中、番組で生まれた人気キャラ、ダイアン津田篤宏演じる津田梅子が登場し、共に踊る場面も。川島は、極端な狭さの音域から繰り広げられるクセのある歌声を「ジャンルとしてはレゲエ?」と困惑した表情で表現していた。









続いて大吉は「フェスということで、皆さんに暴れていただきたい」と、湘南乃風の「睡蓮花」に挑戦する。「ワンオペ状態なので……」と一人で歌うことに不安そうな大吉。ペンライトが衣装に合わせて赤一色に変わっていくと、プレッシャーが高まったのか、表情もかたくなっていく。いざ歌が始まると、話し声とは違う独特のねっとりとした歌声に、客席は驚きと笑いに包まれた。ステージにはタオルをノリノリで回すダンサーが登場し、客席の「Yeah!」「Fuu!」といった掛け声や合いの手は、まるで練習したかのようなそろいぶり。幕張メッセに奇跡の一体感をもたらした。









トリを飾るのは、白いタキシードに身を包んだノブによる「栄光の架橋」。「テレビ千鳥の歴史を全部詰め込みました。テレビ千鳥のことを思って歌います」――白のペンライトに染まった客席は、3階席まで総立ち。6,000人の応援を力に変えるように、ノブはガラガラの声ながら、思いを込めて歌い上げた。川島、ケンコバは腕を組み、何とも言えない表情で見守ったが、大悟は響くものがあったよう。





ユースケも「素晴らしかったです。感動しました」と伝えたが、ケンコバは「どの角度からコメントしようとしても、面白いとは言えない……」と苦笑い。ノブが「もういいですね」と締めようとしたところ、アンコールが自然に起き、今度は“お笑い”のほうに振り切った栄光の架橋を歌うことが決定。ある偉人の姿に着替えて登場したノブだったが、 “ゴリゴリゴリゴリ”を超えるワードが誕生する結末に。



そして特訓の成果を見せたノブ・大吉・ユースケの3人で、最後の楽曲「Choo Choo TRAIN」を披露。縦一列でのEXILEのダンスを見せたあと、手拍子を煽りながら、アリーナを移動するトロッコへ。大悟もノブのトロッコに乗り込み、特製カラーボールを投げてファンサービスタイムを大いに楽しんだ。







ここで大団円かと思いきや、突然大悟が「お前の栄光の架橋、最高やったぞ」とノブへ語りかけ、アリーナ中央のお立ち台でビートたけしの「浅草キッド」を歌い出す。「最終回じゃないんよ」とノブ。





しかし大悟が「漫才しよう」と声をかけると、客席からは、この日一番の大歓声が。熱狂のなか、サプライズで新作漫才が披露され、ファンを大いに喜ばせた。

「次回(のイベント)は?」と聞かれた大悟は「夏辺りに」とニッコリ。ノブは「えっ!?」と驚いたものの「でもまた、いつか大きいところで。テレビ千鳥、引き続きご愛顧ください」とあいさつし、イベントは幕を閉じた。







○『テレビ千鳥』とファンの“絆”感じられるイベントに

終了後のSNSでは、会場に足を運んだ観客、配信で見守ったファンから「ほんと最高すぎた、面白すぎた」「泣くほど笑いました」と大満足の声が。「大吉先生やユースケさんの歌も最高」「ノブさんの歌、普通に泣けた」と歌に感動する投稿、「漫才、最高過ぎてしびれました」「漫才やるのは激アツすぎ」とサプライズ漫才に驚くなかで、イベントを特に表していたのは“一体感”への喜びを語る投稿だ。「みんな好きなものが同じだから一体感あった」「会場みんなで作り上げる感じのライブ」「(テレビで)観てた企画が参加型でできたのうれしかった」――ネコか? ノブか? 予想するときも、ラヴ・イズ・オーヴァーに耐えるときも、「お客さんも一緒にやるんやで」と常に語りかけていた大悟。思いを届けるため、1カ月猛特訓で「栄光の架橋」を猛特訓したノブ。その思いに応えるように、声を上げ、拍手を送り、ウケるもすべるも自然体のリアクションで盛り上げた観客。ノブが「こんな感じでテレビの前で見てくれるんだと実感して感動しました」と投稿していたように、5年間で作り上げた『テレビ千鳥』とファンの“絆”を確かに感じられる番組イベントとなった。

現在、イベント全編は「テレ朝動画」と「FANY」でアーカイブ配信中(配信チケット:3,000円)。後日、『テレビ千鳥』の放送内でも一部紹介予定だという。