1975年にポルトガルから独立したカーボベルデは、10の島で構成されている大西洋の島国。カーボベルデは1年を通して降水量が少なく農業が難しいため、、ヨーロッパとアフリカの間という地の利を生かした海路や空路、遠洋漁業などの中継・補給基地としてのサービス業や漁業が主な産業です。これまで犯罪多発都市や沈みかけの絶海の孤島、人よりホッキョクグマが多い世界最北の町などに弾丸現地取材してきた「ドメイン島巡り」の第43回目となる今回は、バルラヴェント諸島の1つであるサル島に行ってカーボベルデの魅力を探ってきました。

ドメイン島巡り - 世界のドメイン1,000種類以上を取り扱うインターリンクが、「.cc」「.tv」「.sx」等、南太平洋やカリブ海などの「島のドメイン」約50種類に焦点をあて、実際にその島々に行き、島の魅力をレポートします。

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◆カーボベルデはどこにあるのか?

カーボベルデはセネガルのヴェルデ岬の西方約400kmに位置し、西アフリカ大陸部から約375km離れた場所にあります。人口は2021年時点で約56万人。使用されている通貨はカーボベルデ・エスクード(CVE)またはユーロで、1ユーロ=110.265CVEの固定レートが採用されています。公用語はポルトガル語。日本との時差はマイナス10時間です。

目次

◆アミルカル・カブラル国際空港に到着

◆地元の人は皆知っている歌「サイコーダヨ」

◆サンタ・マリアを街ブラ

◆ノーストレスな国で人気のカイトサーフィン

◆大きすぎる塩田とブルーアイズ

◆カーボベルデの食事事情はこんな感じ

◆街で見かけた「.cv」ドメイン

◆現地でのSIM購入&速度調査

◆アミルカル・カブラル国際空港に到着

今回はポルトガルのリスボン経由でサル島へ向かいます。リスボンからサル島まではTAPポルトガル航空を利用しました。



深夜1時頃にアミルカル・カブラル国際空港到着。もちろん辺りは真っ暗です。



続いて入国手続きを行います。今回は日本出国時に渡航先の入国審査をスムーズに行うことができる「eGates」(自動化ゲート)に必要な手続きを済ませていたので、入国審査場には並ばず、そのまま自動化ゲートに向かいます。



自動化ゲートに到着しました……が、ゲートに入れません。空港スタッフに確認したところ、自動化ゲートが使えないとのこと。仕方がないので列に並んで通常の入国手続きを行いました。なお、カーボベルデ入国には渡航目的を問わずビザが必要となります。取得方法については、「カーボベルデ行き方」を確認してください。



入国が完了したので、タクシーで宿泊先のホテルへ向かいます。



空港から約15分でホテル「Sobrado」に到着。チェックインの際にホテル名が書かれたリストバンドを着けられました。ホテルの宿泊者かどうかを見分けるためのようです。



シャワーや寝ている間も外せないので少し邪魔でした。



ホテル自体は清潔でとても快適に過ごせました。



翌朝、ホテルで食べた朝食はこんな感じ。



Sobradoは2018年3月にオープンしました。サンタ・マリアの街の近くにあるのでとても便利です。



しかし、ホテルを出て周囲を見渡すと見事に空き地だらけ。到着した時は暗くて気がつきませんでした。



◆地元の人は皆知っている歌「サイコーダヨ」

カーボベルデには、地元の人ならほとんど知っていると言われる「Sayko Dayo」(サイコーダヨ)という歌があります。タイトルや歌詞の一部に日本語が含まれているようなのですが、「本当に有名なのか?」と気になったので、ホテルへ向かうタクシーの中で運転手さんに聞いてみることに。



すると、運転手さんは「もちろん知ってるよ」と言って車内で聴かせてくれました。



「サイコーダヨ(最高だよ)」は空耳で日本語に聞こえるわけではありません。1963年から約10年間、日本から多くのマグロ漁船がカーボベルデ北西部に位置するサンヴィセンテ島へ寄港し、大量の魚を釣り上げては漁師仲間の間で「最高だ!」と話しており、その光景は現地の人にとっても日常的なものだったそうです。そして、カーボベルデの人たちは空手や日本語を教えてくれる日本人に親近感を覚えていました。そういった経緯で、カーボベルデの著名な音楽家であるTi Goy氏が、日本語の「最高だよ」という表現に因んで「Sayko Dayo」を作曲。この曲はさまざまなアーティストがカバーし、現在に至るまで伝統的な歌として受け継がれています。

Sayko Dayo - YouTube

カーボベルデで最も有名な歌手セザリオ・エヴォラも「Sayko Dayo」を歌っており、国民の間でとても親しまれている模様。

Cesaria Evora - Sayko Dayo - Live @FranceInter - YouTube

◆サンタ・マリアを街ブラ

「小さくて特に見るべき所がない」と言われる街、サンタ・マリアのメインストリートに行くことにします。ホテルからの道中では、中国人が経営するスーパーマーケットをいくつも見かけました。



魚が入ったバケツを男性が取り囲んでいます。



白いTシャツを着てこちらを向いている男性はウサギを抱えていて、ウサギの耳には男性とおそろいのピアスがついていました。ペットとして飼っているそうです。



黄色いパンツの男性によると、彼らはここで新鮮な魚を売っているとのこと。周りに店や露店などはなく、住宅街の道端で販売しています。



路地に入ると、子どもがサッカーボールで遊んでいました。



路地を抜けるとストリートアートを発見。描かれている女性は「Sayko Dayo」を歌っているセザリオ・エヴォラです。



サッカーチームらしきストリートアートもありました。



ホテルから徒歩約5分でメインストリートに到着。お土産を売っているお店や露店がたくさんあって、急に観光地らしい雰囲気になりました。主にヨーロッパからの観光客でにぎわっています。



露店で売られている商品のすぐそばで犬が居眠りしていました。



◆ノーストレスな国で人気のカイトサーフィン

ここはメインストリートの一番奥にあるThe Pier of Santa Maria。海に向かって延びる道には、お土産、小物、洋服などを売る露店が並んでいます。



桟橋の上で新鮮な魚を売っていました。



その場で魚をさばいてくれます。



桟橋からビーチを見るととても綺麗な景色でした。混み合っている桟橋に対して、ビーチにはほとんど人がいません。



サルを連れている男性がいたので声をかけてみると、頭や肩に乗せて見せてくれました。



左足の膝下から足首にかけてドラゴンボールのタトゥーを入れた男性を発見。さすが、ドラゴンボールは世界中で人気です。



ちなみにカーボベルデでは、挨拶のように「ノーストレス」(No Stress)という言葉が使われます。お土産品でも「NO STRESS」と書かれたものが多くありました。



細かいことを気にしないで助け合う精神が何よりも大切とされているようです。かわいいトートバッグをお土産に購入しました。



The Pier of Santa Mariaを後にし、車で約10分のところにあるカイトビーチに行ってみることにしました。ビーチが近づくと、たくさんの凧(カイト)が見えてきます。



カイトビーチに到着。カイトビーチでは多くの人がカイトサーフィンを楽しんでいました。



カイトサーフィンは、専用のカイトとつながったボードであるカイトボードに乗り、サーフィンのように波に乗るウォータースポーツです。以下がカイトサーフィンで使うカイト。



風が強く吹くカイトビーチでは国際大会も開催されています。カイトサーフィンをしている様子を動画で撮影したのが以下です。

カーボベルデのカイトサーフィン - YouTube

◆大きすぎる塩田とブルーアイズ

次はSalinas de Pedra de Lume(ペドラ・デ・ルメの塩田)に向かいます。何もない殺風景な道をどんどん北上。



まるで砂漠のように砂が一面に広がっています。



ペドラ・デ・ルメの塩田に到着。



1人6ユーロ(約954円)の入場料を支払って入場します。



入場ゲートを抜けると塩田に続くトンネルがありました。トンネルの左上にある木製の機材は、かつて塩を運ぶために使われていたケーブルカー。1833年にこの場所でミネラルを多く含む塩が発見されたのですが、問題となったのはここからペドラ・デ・ルメ港のボートまで塩を運ぶことでした。最初は動物による輸送が行われていましたが、1921年に長さ1100メートルのケーブルカーを導入したことにより、1時間あたり25トンの塩を輸送できるようになったそうです。



トンネルを抜けると目の前に塩田が現れました。この塩田はユネスコ世界遺産の候補リストに掲載されています。



カーボベルデ旅行専門サイトには「白と鮮やかなピンク色の塩田が、真っ白な塩の山と青い空と対照的」とありましたが、鮮やかなピンク色の塩田は見当たりませんでした。ドメイン島巡りでは過去にも、サモアの絶景スポットやモーリシャスの「七色の大地」などで、理想とかけ離れた現実を目の当たりにしています。

気を取り直して進んでいくと、左側に白い塊が見えました。近くまで行ってみます。



かなりの大きさです。



塩でした。



塩田には死海に次いで世界で2番目に塩分濃度の高い塩湖があり、水着とウォーターシューズを着用していれば泳いでOK。塩分濃度が高いため、泳がなくても横になるだけで浮いていられます。



次に訪れたのは「ブルーアイズ」と呼ばれる場所。ブルーアイズとは、洞窟に開いた大きな開口部で、日光が当たると美しい「青い目」が見える場所のことです。



受付でブルーアイズを見に来たことを伝えると、夏の11時から13時の間がベストで、今日は見ることができないとのことでした。しかし、せっかくここまで来たので、ブルーアイズがある場所まで行ってみることにします。



落ちたら大変なことになりそうな通路をてくてく。



「ゴミ捨て禁止」「犬の同伴禁止」「排泄行為禁止」など、禁止事項がたくさん書かれていました。



時期やタイミングが合えば、ここでブルーアイズを見ることができます。今回は時期が悪いので誰もいませんでした。



◆カーボベルデの食事事情はこんな感じ

ランチはHilton Cabo Verde Sal Resortの近くにあったHilton系列の「The Bounty Beach Restaurant」に行ってみました。The Pier of Santa Mariaから徒歩約15分。少し歩きますが、綺麗な外観で静かな場所にあるレストランです。



開放感のある店内からはビーチと海が見えます。



というわけでさっそく飲み物と料理を注文しました。これはカーボベルデ産ビールの「STRELA」(500CVE/約723円)。さっぱりした味のビールです。



カーボベルデの伝統料理「カチューパ」(1400CVE/約2025円)。特にクセもなく、豆がおいしかったです。



他は海鮮料理をメインに注文しました。「Mojo Picon Octopus」(2800CVE/約4051円)はタコ料理。



「Grilled Tuna Rissoto」(2400CVE/約3472円)



「Organic Veggie Soup」(800CVE/約723円)は野菜スープ。どの料理もほどよい味付けで、とてもおいしかったです。



◆街で見かけた「.cv」ドメイン

それぞれの国には、「ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)」という国ごとに割り当てられたドメインが存在します。「ドメイン島巡り」は、そんなccTLDの中でも「島国」に割り当てられている約50種類のドメインに焦点をあて、実際にそのccTLDが割り当てられている島国を訪れて現地の魅力をレポートすると共に、「現地でそのドメインがどのように使われているのか?」を調べるのが目的。

カーボベルデに割り当てられているccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.cv」です。

街で「.cv」ドメインを探していると、「.site」ドメインが使われているのを見つけました。「lobstar.site」はロブスター専門レストランの広告です。



「.golf」ドメインも発見。ホームページアドレスに「.golf」ドメインが使われていると、一目でゴルフ関連のサイトだとわかります。



サンタ・マリアにある住宅建設業者「JP Construçôes」のオフィスは「.cv」を使っていました。「cvtelecom.cv」はカーボベルデの電気通信事業者のドメインです。



マリンスポーツ「ジェットボート」のツアー参加者募集広告でも「.cv」が使われていました。



◆現地でのSIM購入&速度調査

今回はeSIMのMTX Connectを利用しました。サル島サンタマリア周辺で25Mbps。



宿泊したホテル「Hotel Sobrado」のWi-Fiは47Mbps。



現地のSIMカードも購入してみました。



データローミングのみですが、値段は10GBで10ユーロ(約1590円)と格安。必要なセットアップは店員さんがやってくれました。



このSIMの速度も測定してみましたが、ほとんどホテルのWi-Fiと同じような結果となりました。



海外に行く予定のある方は以下のページも参考にしてください。

最強の海外用eSIMはコレだ!海外用Wi-Fiはやめておくべきこれだけの理由|株式会社インターリンク

https://note.interlink.blog/n/nbc08ddc8169e

というわけで、今回のドメイン島巡りで訪れた場所は以下のGoogleマップ上でまとめて確認可能。

また、「カーボベルデまで実際どうやって行けばいいの?」というアクセスの詳細はここから確認可能です。

ドメイン「.cv」の詳細や申し込みについては、以下のリンクから確認できます。

cvドメイン登録(カーボベルデ)|世界のドメイン取得、コンサルティングならGonbei Domain(ゴンベエドメイン)



(文・写真:インターリンク https://www.interlink.or.jp/

ドメイン島巡り https://islanddomains.earth/)