新社会人になって、もしも理不尽な上司に遭遇してしまったら?(写真:Fast&Slow / PIXTA)

組織で働いていると、さまざまな考えや気質を持つ人がいます。もしかすると今まで出会ったことがないようなタイプの人、そして理不尽な言葉や命令ばかり投げかけてくるような人に遭遇するかもしれません。入社や異動、転勤した会社で、もしそのような人がいたら……?

IT企業の会社員で、SNSで発信するライフハックが人気を呼ぶ「びっとらべる」さんの著書『社会人1年目「直前」の教科書 「驚異の新人」と呼ばれるために習得する100のメソッド』では、新しい環境で働き始める人たちに向け、心と体を守る処世術がまとめられています。同書から一部を抜粋し、「対人術」のポイント3つをご紹介します。

上司からのキツい言葉に悩まないコツ

会社は選べても「上司」だけは選ぶことができません。 企業説明会など多くの人の前ではいい顔していたはずの人が、いざその会社に入ってみると多くの人から避けられている問題上司なんてことも……。

今の時代はモラハラやパワハラなどに敏感ではありますが、それでもなお、平気で人が傷つくような言葉を投げかけてきたりする上司はいますし、そう簡単にはなくならないのが現実です

もしそんな状態であるにもかかわらず、周りに相談もせず一人で抱え込んでしまうと、心の状態はどんどん悪化していき、最悪「うつ」などの症状を引き起こしてしまう可能性もあります

「教育」や「指導」と言いながら、言われている側の心が傷ついているのならそれは「指導」ではなく「ハラスメント」に該当するのです。

本当にいい上司かどうかを見極めるには、次の3つのポイントを確認してみてください。

「部下の言い分に耳を傾けてくれるか」「積極的に声をかけてくれるか」「曖昧な指示を出さないか」です。

代表的なNG上司というのは、「なんでできないの?」と叱りつけてきたり、それに対して何かを言おうとすると「言い訳するな」と発言を遮断したり、「もっと質を高めろ」「積極的に発言しろ」と一方的にアドバイスを与えてきたりするパターンです。

そんな上司や先輩の存在によって心をすり減らしてしまったり、その人について考える時間が増えたりしていては、人生の貴重な時間がもったいないので、キツい言葉も気にせず心穏やかにやり過ごすコツは、「捉え方を変えてしまうこと」です。

もし「使えねぇな」と言われたら、「使い切れてねぇな」と考えて心の中で笑ってやりましょう。部下をうまく使えていないのは上司の責任なわけですから、自分で自分のことを「デキない上司だな」と言っているのと同じです

また、「期待していたのにがっかりだよ」と言われた場合、その言葉は「思い通りにならなくて残念」という意味なので完全無視でOKです。勝手に期待されて勝手にイライラされてもこちら側の課題ではないのです。

もし本当に限界を感じたら「逃げる」のも一つの手です。決して「逃げ」は悪いことでも恥ずかしいことでもありません。危険な状況下であれば「逃げるが勝ち」です。すぐさま環境を変えましょう。心を守ることを最優先にしてくださいね。

POINT 上司や先輩にキツい言い方をされた時は、捉え方を都合よく変えてしまえばラクになる

苦手な人は「面白がる目」で見る

苦手な人がいたら嫌だなって思うより、面白がる目で見ると嫌な所が面白くなる

人気司会者タモリ氏の言葉です。

私はこの言葉を知り実践するようになってから、今まで以上にメンタルが安定するようになり、本当に生きやすくなりました。

苦手な人のことを「この人嫌だなぁ」と思い続けると、自分のメンタルをどんどんすり減らしてしまい、ネガティブ思考の沼にハマり、なかなか抜け出せなくなります。

しかし、嫌な人がいたとしても「この人面白いな」という目線で面白がって見ると、「嫌な人」ではなく「変な面白い人」という風に頭の中が理解するので、案外接しやすくなり、心もラクになるものです

その人と少し距離を置いて観察するような感覚でOKです。「動物を温かい眼差しで見る動物園の園長」「珍しい生き物を初めて見たとき」のような目線で眺めてやりましょう。

真正面から見ると嫌だと感じますが、「観察者」になれば面白がる目線で見ることができるようになります

コンビニのレジで怒鳴っているおじさん、混んだ電車の車内でも足を組んで2人分の席を占有しているサラリーマン、列に並ばずに横から割り込むおばさんなど、「ありえない」という人ほど面白く遠目で眺めてやりましょう

勝手に妄想を膨らませて憐れむこともオススメです。「長年付き合っている恋人が浮気していることが発覚し、メンタルが不安定なんだろうな」、「トイレ我慢してイライラしてるのかな」、「きっとお腹空いてるんだろうな」といったように、都合よく捉えてしまいましょう。

少しずつ面白おかしく感じてくるはずです。その方が「この人嫌だな」「ムカつくな」と考えるよりも断然いいです。

残念なことに、相手を無理やり変えることはできません。コントロールできないものであると割り切り、自分を変えることに意識を向けましょう。

自分の捉え方次第で世の中は本当に生きやすくなります。このように少し視点を変えて見ることで、視野が広くなり、心にも余裕が生まれるようになります。

今見ている世界というのは、必ず自分の主観が入っているもの。主観さえ変えてしまえば、見える世界は変わるのです。他人の不機嫌や不快な言動に左右されないよう「都合よく捉えて受け流す」という考え方を癖づけていきましょう。

POINT 苦手な人を嫌だと考えず、「観察者」のように面白く捉えてみよう

攻撃的な言葉を投げかけてくる人は「日本語覚えたて」

攻撃的な言葉を浴びると、どうしても人は心に傷を負ってしまったり、イライラの感情につながったりとネガティブな方向に行ってしまいがちです。

そもそもそんな合わない人とはバッサリと縁を切り関わらないことが一番なのですが、実際さまざまな事情があることから、そう簡単にいくものでもありません。

そんな時はどのように乗り越えればいいのか、私なりの受け流しテクニックをお伝えします。


私もかつては、先輩から非常に攻撃的な言葉を投げかけられていました。世の中には「何でそんな言い方するの?」って思うような心無い言葉を投げかけてくる人がたまにいます。

ただし、そういう言葉を真に受けてしまうと人の心はどんどん削られてしまうので、「あぁこの人は日本語覚えたてなんだなぁ」って受け流すだけでほとんどダメージなく冷静に受け取れるので、これは私なりに最強の対処法だと思っています

「日本語覚えたて」だと思えば、語彙力が乏しく表現力が未熟なので、子どもを見ているかのように少し可愛らしく見えてきて「仕方ないな」と許せてしまうというわけです。

考え方次第で心は軽くなる

つい「自分はダメな人間だ……」と思い込んでしまいがちですが、決してそうではありません。

その人の価値観という狭い世界の中でのたった一つの評価でしかないので、気にしなくてOKです。攻撃的な言葉に反応してしまうと、さらに攻撃を強めてくる傾向があるので、冷静に受け流すことで、相手の攻撃性を和らげることができます。

基本的に攻撃的な態度をとる人というのは、自分に自信がなく、自分の立場やプライドを守るためにそのような態度をとることが多いです。まさに自信の無さの裏返しなので、「自信無いんだなこの人」と心の中で哀れみながら笑ってやりましょう

何度も何度も傷つけられたら、相手を紙やすりだと思えばいい。多少、擦り傷は受けれど、自分はピカピカになり、相手は使い物にならなくなる

これはアメリカの俳優・作家クリス・コルファー氏の言葉なのですが、まさにこの言葉通り、傷つける側の人間はやがて自滅し、傷つけられた側は人として、より一層成長することができ、人の痛みに寄り添える優しく強い人になれると思っています

むしろ、「磨いてくれてありがとう」と感謝に切り替えることができれば、人より何倍も成長できます。考え方次第で心は軽くなるのです。

POINT 攻撃的な言葉を使う人は「日本語覚えたて」だと捉え、「仕方ないか」と受け流す


(びっとらべる : インフルエンサー)