キズナ産駒が2日連続で重賞制覇 異なる「成功パターン」を持つ2頭の血統背景とは?
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆血統で振り返る共同通信杯
【Pick Up】ジャスティンミラノ:1着
現3歳の種牡馬別血統登録頭数は、キズナが168頭で1位、エピファネイアが160頭で2位。後者はビザンチンドリームを含めて3頭の重賞勝ち馬を出しており、一方のキズナは先週、土日にそれぞれ重賞勝ち馬を出しました。賞金順による世代別種牡馬ランキングはキズナがトップです。現3歳は、初年度産駒が2歳から3歳春にかけて活躍(3歳5月末までに重賞6勝)したのを見つつ交配した世代なので、前年よりも血統登録頭数が61頭も増え、繁殖牝馬の質も大幅に上昇しました。とくにノーザンファームのサポートが劇的に強化され、生産頭数が9頭→31頭に増加したのは大きな強調材料です。土日の重賞勝ち馬はいずれも同牧場の生産馬でした。
母方にデインヒルを持つキズナ産駒は成功しており、連対率24.2%、1走あたりの賞金額245万円は、同産駒全体の19.3%、213万円をそれぞれ上回ります。超スローペースの2番手をすんなり追走した、という展開面の利があったのは事実ですが、レース上手なところはこの馬の持ち味で、小回りの中山ではこうした特長はさらに活きるでしょう。
「キズナ×エクシードアンドエクセル」という組み合わせは、先日のエルフィンSを勝ったライトバックと同じ。エクシードアンドエクセルは、スピードを武器とするオーストラリアのチャンピオンサイアーです。
◆血統で振り返るクイーンC
【Pick Up】クイーンズウォーク:1着
共同通信杯を勝ったジャスティンミラノと同じキズナ産駒。半兄グレナディアガーズ(父フランケル)は朝日杯FSの勝ち馬で、今年から社台スタリオンステーションで供用されます。母ウェイヴェルアベニューはカナダ産ながらBCフィリー&メアスプリント(米G1・ダート7ハロン)を勝った名牝です。
キズナは、ファピアノ→アンブライドルド→アンブライドルズソングのラインと相性が良く、本馬と同じく母方にアンブライドルドを持つパターンは、連対率21.8%、1走あたりの賞金額249万円。同産駒全体の19.3%、213万円をそれぞれ上回ります。
半兄グレナディアガーズは気性的な難しさがあったのでマイル以下がベストでした。クイーンズウォークはそうした点が見当たらないので、同世代の牝馬が相手なら2400mも守備範囲です。