早くもキャンプで始動している期待の助っ人、ディカーソン

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ビシエドの起用をどうするのか

 中日のキャンプが大盛況だ。中田翔(34)目当てに、初日から多くのファンが詰めかけた。その派手な金髪姿には驚いたが、就任1年目は「長髪、茶髪、ヒゲ禁止」だった立浪和義監督(54)も、中田の金髪を容認している。何か心境の変化でもあったのだろうか。

【写真を見る】今季スローガン「勇龍突進」と共に始まった中日のキャンプ(中日ドラゴンズの公式Instagramより)

 その立浪監督が“最下位脱出の秘策”を語ったのは、1月27日だった。ナゴヤ球場で自主トレ中の選手たちを遠巻きに視察し、球団スタッフとも打ち合わせをし、球場を後にしようとしたところを報道陣に囲まれた。

「バッティングの状態が良ければ、彼の力が必要になると思う」

早くもキャンプで始動している期待の助っ人、ディカーソン

 指揮官の言う「彼」とは、国内FA権の取得条件を満たし、今季より外国人選手枠から外れる来日9年目のダヤン・ビシエド(34)のこと。オフに獲得した中田の4番構想について話していたところ、一塁のポジションで重複するビシエドの起用法にも話が及び、そう答えたのだ。「これから考えます」と明言は避けたものの、その場にいた取材陣は「中田とビシエドの併用案」だと察したという。

「立浪監督は、地元テレビ局の番組でも、最下位脱出のカギは打線の強化という話をしていました。ビシエドを外野のレギュラーとして起用するのかどうか。キャンプ中に答えを出さないといけなくなるでしょう」(名古屋在住記者)

 確かに打線強化は最下位脱出の最優先事項だが、課題はそれだけではない。二遊間の守備はどうするのか、登板過多の傾向にある救援陣の負担軽減問題もある。だが、もっとも重要なことは「2年連続最下位の屈辱」で、ドンヨリとしたチームの雰囲気をどう変えるかだろう。

 だが、立浪監督は早くも軌道修正を強いられてしまったようだ。ドラフト1位ルーキーの草加勝投手(22=亜大)が新人自主トレ期間中に離脱。「右肘内側側副靱帯の損傷」と診断され、今シーズンの登板はなしとなりそうだ。

投手陣は充実しているが

「それでも先発陣は何とか揃っています。選手会長も務める柳裕也(29)、郄橋宏斗(21)、小笠原慎之介(26)、涌井秀章(37)がいて、今季は大野雄大(35)も帰ってきますので」(スポーツ紙記者)

 チーム防御率3.08はリーグ2位。投手戦力は豊富だが、チームの雰囲気を変える具体的な策は、新戦力の台頭か加入だ。その意味で、草加に期待する声は多く聞かれていたのだが、キャンプイン前に躓いてしまったのだ。

「仕方ない。入ったばかりで本人が一番残念な思いをしていると思う。早く復帰できるように」

 立浪監督はそう言って庇っていたが、こんな指摘も聞かれた。

「ドラフト会議直前、草加については『様子を見ましょう』という声もありました。つまり、最終的な評価を下すのはまだ早いと判断したわけです。草加の投げていた重量感のある剛球は確かに二重丸でしたが、彼は大学4年春のリーグと同年秋のそれでは、投球フォームが異なります。春は肘の位置を少し低くし、秋にまた戻しているんです。変化球のコントロールを含め、彼なりにまだ悩んでいたのでしょう」(ライバル球団スタッフ)

 今回の肘の故障は、試行錯誤していた学生時代の影響だろうか。他球団が上位指名に慎重だったとの情報を聞くと、中日スカウト陣や立浪監督の判断が甘かったと言われても仕方がないかもしれない。

「昨年も即戦力と期待されていたドラフト1位投手、仲地礼亜(22)が、5月のプロ初登板で脇腹をつってしまい、1回2安打2失点、わずか20球で降板しました。ドラ1投手の故障は2年連続です」(前出・名古屋在住記者)

 新人投手といえば、昨季ファームでこんなアクシデントも起きていた。仲地と同期入団でもある高校左腕の森山暁生(19)を、故障させてしまったのである。将来のエース候補と目され、ファームでも中6日のローテーションで投げていたのだが、シーズン中盤に左肩を痛め、さらにリハビリ中に右足首を負傷してしまった。詳細は明かされていないが、高校卒投手に中6日での登板を強いたこと、そして、「リハビリ中のケガ」ということで新人選手の管理・育成システムに首を傾げる声も多く聞かれた。

「中日は22年ドラフトまでの過去5年間で、10人の高校生投手を指名しました。その10人のなかには根尾昂も含まれますが、10人中6人が育成選手落ちを経験しています。今季、森山も育成からの再スタートです」(前出・同)

 ドラフト指名では見極めでしくじり、育成も疑問だらけ。これではチームの雰囲気も良くならないだろう。

明るい話題も

 しかし、朗報もある。それも、米メディアからだ。MLBのデータサイト「Fan Graphs」、「Baseball Savant」が、NPB入りした近年の外国人スラッガーが軒並み不振に終わっていることを伝え、同時に今季NPBと契約した新外国人選手のメジャーリーグ通算のOPSを比較する特集を組んでいた。

 OPSとは出塁率と長打率を合わせた指数で、当該選手が打撃でどれだけ得点に貢献したのかを表す。その数値がもっとも高かったのは、中日が獲得した外野手、アレックス・ディカーソン(33)だった。昨春のWBCではイスラエル代表で出場しているが、目立った成績は収めていない。

「昨季は米独立リーグでプレーしています。ホームラン26本、OPSも『.965』と好成績を残しています」(米国人ライター)

 メジャー通算本塁打数は「40」だが、同通算7シーズンでのOPSは「.785」でNPBの新外国人選手ではトップである。昨季の中日は、外国人選手に泣かされたが、立浪監督はディカーソンに期待しているのではないだろうか。キャンプ2日目のフリー打撃で早くも来日1号を放っている。

「期待」といえば、こんな情報も聞かれた。3月6〜7日、侍ジャパンはオーストラリア代表チームと壮行試合を行う。正式なメンバー発表はこれからだが、中日からは内野手の石川昂弥(22)、投手の松山晋也(23)の選出が内々に決まったそうだ。

「若手中心のメンバー構成なのですが、一軍での試合出場数の少ない、本当にこれからの選手ばかりです。でも、井端監督は何人か核になる選手を決めていて、石川は打線の核、松山はリリーフの中心的存在に、と考えています」(NPB関係者)

 石川は故障もあったが、立浪監督からもらったチャンスを活かしきれていない感じだ。松山は22年育成ドラフトでプロ入りし、23年途中で支配下契約を勝ち取った。シーズン成績は36試合にリリーフ登板し、1勝1敗17ホールド。この2人が侍ジャパンで活躍したら、どうなるか……立浪竜3年目の行方に注目だ。

デイリー新潮編集部