「アイのない恋人たち」(公式HPより)

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 テレビ朝日で日曜夜10時に放送されているドラマ「アイのない恋人たち」(朝日放送テレビ制作)は、初回の視聴率が4・4%、第2話が3・8%と早くも苦戦している(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)。年度平均視聴率で三冠を狙うテレ朝にとって、アキレス腱になりつつあるという。

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 ドラマを見ていない人は、“アイ”がカタカナであることに疑問を持つかもしれない。

 仲の良い同じ高校の男子3人が、卒業前の高3のある日、15年後の同じ日、同じ時刻に、高校の西門前で会おうと約束するところから物語は始まる。15年が経ち、約束の場所に3人が揃うことは叶わなかった。売れない脚本家の福士蒼汰(30)は、マッチングアプリで女性と知り合うも3回目で会うのをやめる“愛”のない男に、大手食品会社の企画開発部に勤務する本郷奏多(33)は、女生とつき合ったことがない“自分(I)”がない男に、警察官になった前田公輝(32)は、女性を見る“目(eye)”のない男に、それぞれがなっていた。その3人で合コンの約束をするのだが……。

「アイのない恋人たち」(公式HPより)

 興味を持った視聴者もいるかもしれないが、肝心の視聴率がついてこないのだ。民放ディレクターは言う。

「脚本は『家政婦のミタ』や『過保護のカホコ』『同期のサクラ』(いずれも日本テレビ)などで知られる遊川和彦さん(68)です。彼のオリジナル脚本は『○○の□□』といった主人公の名前が入るタイトルが多く、その主人公を中心に物語が進みます。しかし、今回の『アイのない恋人たち』はタイトルが複数形で、遊川さんとしては珍しい恋愛群像ドラマです。合コンに参加する成海璃子(31)、深川麻衣(32)、岡崎紗絵(28)、さらに福士たちの同級生で高校のマドンナだった佐々木希(35)が加わり、7人の恋模様を中心にストーリーが展開されます」

 佐々木希が演じるかつてピアニストを目指していたクラブのホステスは、アバズレ感が際立っているうえに、やけに登場人物が多い。

バラエティーが得意なテレビ局

「それぞれの家庭の事情なども絡んできますから、キャスティングされる俳優は多い。ただし、正直言って出演者はちょっと地味ですね。中心の7人にしても、福士と佐々木以外は一番手にオファーしたとは思えないような……。遊川ブランドをもってしても、出たいという俳優が少なくなってるのか、それとも朝日放送(ABC)の制作だからか……」

 日曜夜10時のドラマ枠は、昨年4月に新設された。いずれも大阪のABCテレビが制作している。同社の山本晋也社長は新ドラマ枠についてこう語っていた。

《しっかりと制作費を投入してクオリティーの高いものを作っていきたい。ABCはバラエティーを得意としているが、ドラマももっとしっかりと作って、海外展開も含めて、力を入れてやっていきたい》

 ところが、第1弾から躓いた。清野菜名 が主演の「日曜の夜ぐらいは…」の視聴率は平均4・7%、7月期の飯豊まりえが主演の「何曜日に生まれたの」は平均3・3%、10月期の堀田真由が主演の「たとえあなたを忘れても」は平均3・2%だった。

「『たとえあなたを忘れても』は、放送前、番組公式サイトに掲載された担当者のPRコメントが『silent』(フジテレビ)と酷似していると指摘され謝罪することに。これに続く『アイのない恋人たち』は、第2話の視聴率が3%台にまで落ちてしまいました。ABCテレビの社長が言うとおり、どちらかというとバラエティが得意な放送局ですからね。頑張っているとは思うのですが」

 脚本家は有名どころを集めている。

放送枠が最大の問題

「『日曜の夜〜』は反町隆史と竹野内豊がW主演した『ビーチボーイズ』(フジ)や朝ドラ『ちゅらさん』(NHK)で知られる岡田惠和さん(64)、『何曜日に〜』は『高校教師』(TBS)や『家なき子』(日テレ)の野島伸司さん(60)、『たとえあなたを〜』は木村拓哉が主演した『ラブジェネレーション』(フジ)の浅野妙子さん(62)、そして今回の遊川さんですからね。これだけのベテランの脚本家を起用しながらなかなか上手くいっていません」

 やはりABCがドラマを作り慣れていないからなのか。

「いずれも企画・プロデュースは、元フジテレビのプロデューサーで『のだめカンタービレ』や『不毛地帯』などで知られる清水一幸さんです。元々ABCにいた人ですが、フジに転職してヒット作を量産し、一昨年、古巣に戻り、新ドラマ枠を任されました。決して慣れていないわけではないはずです」

 では、なぜ数字が上がらないのだろう。

「やはり日曜夜という放送枠が大きいのでは。翌日は月曜で朝から学校や仕事も始まるという時に、前作『たとえあなたを〜』は暗すぎたし、今期の『アイのない恋人たち』は人数が多すぎてストーリーが頭に入ってこない。気楽に見られる作品がないからでしょう。テレ朝は今年3月までの年度平均視聴率で、世帯では2年連続の三冠、個人では初の三冠を狙っていますが、このままではこの枠が足を引っ張ることになりかねません」

デイリー新潮編集部