都心の積雪への妙案はあるか?

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大雪のため、名神高速道路の関ケ原IC付近で2024年1月24〜25日に発生した車の立ち往生。一時は上下線5キロを超え、解消まで19時間を要した。

積雪量58センチという大雪の結果だが、これより遥かに少ない積雪でも交通に大きな支障が出がちなのが、東京都だ。ただ都心は、毎年大雪が降るわけではない。東京都はどんな雪害対策を行っていないのだろうか。

「東京都所有の除雪車」が出動!

J-CASTニュースBizの取材に対し、東京都建設局は、都が行っている雪害対策は奥多摩町・檜原村と、それ以外の地域では対応が大きく異なるという。奥多摩町と檜原村は都の北西部に位置する自然豊かな地域だ。冬は寒く、都心とは大分異なる。

「奥多摩町と檜原村については、建設局の奥多摩出張所が道路の積雪に対応します。それ以外の市区町村ではその自治体の建設会社に対応をお願いしています」

具体的には、降雪が予想された場合は融雪剤を散布し、ある程度以上の積雪が見られた場合は、奥多摩町と檜原村では東京都所有の除雪車が出動するという。

奥多摩町と檜原村以外では、各建設会社のホイールローダー(※注・ブルドーザーのキャタピラーがタイヤに置き換わった重機)が除雪作業を行うと明かした。

準備はされているようだが、過去には十分対応しきれなかったと言えそうな事例が発生している。2018年1月22〜23日に東京都に降った雪は、都心の千代田区で23センチの積雪を観測。当時の報道をみると、都内では雪の影響とみられる交通事故が、約800件発生した。

この点を聞くと、都建設局の担当者は「役所としてこのようなことを言うのは大変恐縮です」と前置きした上で、

「東京都は雪に不慣れであり、積雪という珍しい現象に対しては100%の対策は出来ません。完全になくすのではなく、速やかに復旧させることを目的としています」

と説明した。

(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)