ソン・フンミン選手(写真:ロイター/アフロ)

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サッカーAFCアジアカップ1次リーグE組第3節が2024年1月25日にカタールで行われ、韓国がマレーシアに3−3で引き分けた。スポーツメディア「スポーツ朝鮮」(WEB版)は26日、格下相手の引き分けにインターネットで国内ファンから選手、監督への批判の声が殺到したとし、国民的英雄で主将のFWソン・フンミン(31)が「誹謗中傷」をやめるよう訴えたと報じた。

FIFAランキング23位も130位にドロー

韓国は1次リーグ第1節のバーレーン戦を3−1で勝利。続く第2節のヨルダン戦を2−2で引き分けた。第3節のマレーシア戦を引き分けE組2位で決勝トーナメントに進出。第1節で韓国に敗れたバーレーンが第3節でヨルダンを1−0で破り勝ち点「6」としE組1位で決勝トーナメント進出を決めた。バーレーンは1月31日の決勝トーナメント初戦で日本と対戦する。

国際サッカー連盟(FIFA)ランキング23位で今大会の優勝候補に挙げられる韓国だが、FIFAランキング130位のマレーシアに苦戦を強いられまさかのドロー。複数の韓国メディアによると、優勝候補に挙げられる中、主力を起用したにもかかわらず勝てなかったことに国内ファンが激怒。インターネットでユルゲン・クリンスマン監督(59)の采配や選手に対する批判が殺到したという。

スポーツメディア「スポーツ朝鮮」(WEB版)は「『一線を越えた発言に心痛む 選手たちを保護して』ソン・フンミン要請」とのタイトルで記事を展開。ソンが試合後、報道陣を通じて選手への「誹謗中傷」をやめるよう訴えたという。

「多くのファンがSNS上で度を越えた発言」

記事によると、ソンは報道陣の取材に「多くのファンがソーシャルメディア(SNS)上で度を越えた発言をしている。残念です。選手には家族がいて、友達もいるのにそんなことを言われると心が痛みます。サッカー選手である前に私たちも人間です。選手たちも(ファンに)満足感を与えるために最善を尽くしている。選手を大切にしてほしい。どうかよろしくお願いします」と訴えたという。

スポーツ朝鮮の別の記事ではクリンスマン監督に言及した。同メディアは格下のマレーシアに引き分けた現状を「深刻な状況だ」とし、クリンスマン監督の試合中の姿勢などを批判的に報じた。

記事では「クリンスマン監督は就任以来ずっと『目標はアジアカップ優勝』と叫んできたが、現状は空虚な響きだ」とし、「最も大きな問題はクリンスマン監督が状況の深刻さを知らないように見えるという点だ。彼はマレーシア戦で失点した際に笑う姿が(テレビカメラに)捉えられファンが激怒したが、本人は気にしない様子だった」と指摘した。

韓国は決勝トーナメント初戦の30日にF組1位のサウジアラビアと対戦する。