「京城クリーチャー」

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 Netflixなどの動画配信サービスで世界的な人気を博する韓国ドラマ。優れた作品が多いのはもちろんだが、中には反日プロパガンダが過ぎて見るに堪えないものもある。今話題の「京城クリーチャー」もその手合いのようで、無理筋具合を検証してみた。

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 1月1〜7日の本年最初の週において、非英語のテレビ番組を対象にしたNetflixの世界視聴ランキングで「京城クリーチャー」は第3位となった。

 スポーツ紙のドラマ担当記者の解説によれば、

「同作品は約77億円もの製作費をかけ、『梨泰院クラス』の主演で知られる人気俳優のパク・ソジュン(35)を主人公に据えるなどして、鳴り物入りで昨年12月22日から配信が始まりました。現在、それなりのヒットを記録していますが、期待の大作だった割には視聴ランキングが伸び悩んでいるとの見方もできます。今後、大ヒットにまでは至らないでしょう」

「京城クリーチャー」

「旧日本軍があまりにも残虐に描かれている」

 物語の舞台は日本統治時代、京城府と呼ばれていた頃のソウル市。旧日本軍の731部隊をモデルにしたと思しき秘密研究所が、朝鮮人に対する極悪非道の人体実験で怪物を生み出してしまう、といったホラーアクション作品だ。

「高額な製作費をかけているだけあって、第2次大戦中の風景を丁寧に再現しており、映像的な見どころは多い。しかし、テンポが悪く、演出も稚拙で評価は高くありません。特に日本人にとっては旧日本軍があまりに残虐に描かれており、正直いい気持ちにはならないと思います」(同)

 また、細菌兵器を研究していた731部隊は人体実験も行っていたとされるが、終戦時に旧日本軍が資料を処分しており、詳しい実態が明らかになっていない。本来は慎重な議論が求められるテーマである。

「主要な輸出先である日本への配慮があった」

『悪韓論』(新潮新書)の著者で評論家の室谷克実氏はこう一刀両断する。

「そもそも、731部隊が活動していたのは旧満州です。ソウル市で人体実験が行われていたという誤解を世界中に広められたら、われわれとしてはたまったものではありません」

 なぜ、かような反日ビジネスがまかり通ってしまうのか。元東京新聞ソウル支局員で在韓ジャーナリストの金敬哲氏によると、

「731部隊が怪物を生み出すというプロットは、韓国では典型的なもの。しかし、一昔前であればそのような反日的な作品は、韓国の国内向けとして消費されてきました。主要な輸出先だった日本への配慮があったからです」

反日ビジネス

 ところが、Netflixなどの全世界に向けた動画配信サービスが隆盛している昨今では、

「相対的に輸出先としての日本の重要度が下がってきました。だから、日本への配慮が必要なくなり、反日的な作品であっても堂々と世界中に向けて配信するようになったのです」(同)

 韓国エンタメ事情に詳しいコラムニストの児玉愛子氏の見解はこうだ。

「韓国ドラマは政治的思想を落とし込んで、徹底的に一方を悪く描くことに遠慮がない。それが魅力でもあるわけですが、観るにあたってあくまでエンタメだという冷静な視点が必要な時もあるでしょう」

 いまだなくならぬ反日ビジネス。「京城クリーチャー」は年内にシーズン2が配信される予定だというが、今作同様イマイチの完成度となることを祈るばかりだ。

「週刊新潮」2024年1月25日号 掲載