韓国でも抜群の人気を誇る大谷

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韓国球界関係者も「大谷は来ない」

 米大リーグのドジャースとパドレスがソウルで対戦する3月20、21日の開幕カードは、球場の収容人員が2万人にも満たないことも相まって、チケットがプレミア化するなどフィーバーぶりはすさまじい。ドジャースにスポーツ選手史上最高額の契約で入団した大谷翔平(29)とメジャー投手史上最高額で契約した山本由伸投手(25)、パドレスにはダルビッシュ有投手(37)のほか松井裕樹投手(28)、そして韓国出身の金河成内野手、高祐錫投手が在籍している。否が応でも盛り上がるわけだが、早くも水を差すような話が持ち上がった。右肘手術明けの大谷をはじめ、山本やダルビッシュまでもが韓国ではプレーしないのではないかというものだ。興行的価値を根底から覆すスーパースターたちの不参加説を探ると、いくつもの説得力を帯びた理由が浮かび上がってきた。

韓国でも抜群の人気を誇る大谷

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 さる韓国プロ野球関係者が語る。

「特に、大谷は来ないと思っていますよ。大きな手術をした後で、チャーター機とはいえ長距離移動で、時差がある国でのプレーになります。体に問題がなければ別でしょうが、肘の状態を探りながら復活を目指していく過程で(キャンプ地の)アリゾナから寒いソウルでプレーし、またアメリカに戻るというのは現実的ではありません。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の日本ラウンドに出て、結局けがを負うことになった去年と同じようなことをするでしょうか? 打者としての出場には影響がないと言われている手術でも、前回とは違う術式で、開幕に間に合わせれば前回より早い復帰になります。1000億円を超える契約を結んで、スポーツ界の宝でもある選手なのでドジャースは細心の注意を払うでしょう。162試合のうちのわずか2試合で、無理して大谷を起用する理由が見当たりません」

 開幕2連戦の前には韓国代表や韓国球団との練習試合が組まれている。

「韓国のピッチャーは大谷との対戦が実現すれば、腕試しとばかりに全力で向かっていくでしょう。ただ総じてコントロールは良くないので、けがや打撃の調整への悪影響があります。こうした意味でもアリゾナに残って調整するのがベストではないでしょうか」(同)

“本拠地開幕”で大谷お披露目か

 ドジャースは韓国遠征後の3月28日に本拠地ドジャースタジアムで米国開幕を迎える。まずはカージナルスとの4連戦、次にジャイアンツとの3連戦が組まれている。

「球団としてはこの7試合の間に地元ファンに大谷をお披露目したいところでしょう。興行としての宣伝効果が薄れてしまうことに配慮し、ぎりぎりまで公表はしないでしょうが、既に大谷が韓国に行かないことが内々に決まっていることも考えられます」

 3月でも気温が30度近くになるアリゾナやロサンゼルスという“庭”で調整に万全を期し、満を持して新天地での初戦に臨む――。これがドジャースと大谷が共有しているプランではないかと、米大手マネジメント会社の代理人はみている。

 山本のケースでも同様という。同代理人は「メジャー1年目で、不慣れなキャンプを過ごした後に韓国で公式戦に登板することは大谷がプレーすることと同じぐらい考えづらいです。球団は12年で480億円という巨額投資をしています。GMは山本の契約を『長期の賭け』という表現を使っていましたが、万が一のことがあって、その賭けに負けることは許されないでしょう」と続けた。

山本もダルも無理をさせる理由がない

 ドジャースは昨季まで11年連続でプレーオフに進出している強豪である。今季の補強で戦力は一層、巨大化した。今季もプレーオフ進出が確実視され、ワールドシリーズまでのポストシーズンをトータルで見据えると、韓国開幕でいたずらにリスクを負う必要などない。

「韓国での先発はある程度、メジャーで経験を積んだ投手に任せるなどして、山本はそれこそドジャースタジアムでの開幕戦でメジャーデビューというプランを温めているかもしれませんね」(同代理人)

 メジャーでの経験という点では米球界13年目のダルビッシュも申し分ないものがあるが、こちらも韓国での登板に否定的な意見が少なくない。

「去年のWBCでは調整が早めになったこともあって相当、無理をしていました。本調子が戻らないままWBCが終わり、シーズンに入ってからも立て直すことに苦労しています。チームの中心選手であり、顔見せに韓国に行くことはあるかもしれませんが、投げる可能性は低いとみています。今季は6年契約の2年目で、今後も長く貢献してほしいという球団事情を考えれば、ダルに負担はかけたくないところです」(元NPB球団監督)

終わってみれば松井だけ?

 韓国でも、特に大谷は人気が高く、不在なら現地の落胆ぶりは想像に難くない。ただ、興行としては韓国2選手がプレーすることで十分に成立するとも言える。アジア市場の拡大を目論む大リーグ機構の体裁は最低限、保てる。

「選手が理由なく、サボる形での不参加となれば反発も出るでしょうが、大谷には(手術明けという)明確な理由が存在します。ソウルへの出発が近づいてきた頃に、タイミングを見計らってGMや監督が不参加や不出場をにおわせておいた上で、山本も一緒に直前に公表するのではないでしょうか」(同前)

 日米韓のメディア注目の開幕2試合ではあるが、終わってみれば日本人選手で出場したのは松井1人だけという事態にもなりかねないようだ。

 大リーグ機構は来季、東京で開幕戦を実施することを検討中で、そのカードにドジャースが絡むことが有力視されている。順調なら大谷の「二刀流」が完全復活するシーズンの初戦となり、出場すれば昨春のWBCで巻き起こった大フィーバーが予想される。昨春のWBC以来、アジアで再び大谷の雄姿を拝めるのは、もう1年先になるかもしれない。

デイリー新潮編集部