写真はイメージ(写真:西村尚己/アフロ)

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能登半島地震をめぐり、義援金として郵便局窓口から振り込む場合は「小銭の枚数がどれだけ多くても手数料は免除されると耳にした」とし、実践したとの情報が2024年1月中旬にX(旧ツイッター)で話題になっている。

本来は硬貨を持ち込むにあたり、枚数に応じて「硬貨取扱料金」が上乗せされるため、「これはめちゃくちゃ良い情報!」といった反応が上がっている。ただ、一部では窓口の負担を懸念する声も出る。ゆうちょ銀行(東京都千代田区)に利用の注意点や見解を聞いた。

1円玉360枚と5円玉104枚を振り込む

発端としてはXユーザー・山口真弘さん(@kizuki_jpn)が冒頭のように切り出し、「親が貯めこんで処分に困ってた」という1円玉360枚と5円玉104枚を、義援金として郵便局で振り込んだと写真を添えて報告した。「額はたいしたことないけどこれぞWin-Winでいいんじゃないですかね」とも伝えている。

合計金額は880円。ゆうちょ銀行が公表している料金シミュレーションによると、本来であれば硬貨取扱料金は825円になり、55円しか残らない計算だ。

投稿は3万1000件以上の「いいね」を集めるなど注目され、「これはめちゃくちゃ良い情報!」「回収するにも回収出来ない、変なところに埋もれた資源を回収できるいい機会」「諦めて放置した家中の小銭集めてみよう」といった声が広がっている。

実際、石川県公式サイトが案内している義援金振込先の説明にも、「全国のゆうちょ銀行及び郵便局の窓口での振込・振替は、手数料が免除されます」と記載がある。ゆうちょ銀行公式サイトでは対象口座の一覧表も確認できる。

これらは硬貨の持ち込み枚数にかかわらず、硬貨取扱料金も免除されるのだろうか。

ゆうちょ銀行広報は22日、J-CASTニュースの取材に対して、前提として義援金の払込みも通常払込みの1形態であり、日本郵便への業務委託契約の範囲に含まれると説明。その上で、下記のように答えた。

「ゆうちょ銀行が承認した義援金口座に対する窓口での払込みについて、払込料金及び硬貨取扱料金を無料とさせていただいており、お持ち込みの硬貨枚数に制限はございません。なお、受付窓口の繁忙状況などから、お受けできない場合もございますのでご了承ください。その他、ゆうちょ通帳アプリによる義援金口座への払込みについても、送金料金が無料となります」

変形、粘着物付着や濡れた硬貨は「事前に取り除いて」

先の投稿には、窓口の負担を懸念する声も出ていた。義援金として硬貨を持ち込む場合の注意点について、ゆうちょ銀行広報は次のとおり説明する。

「お持ち込みいただいた大量の硬貨は、機器で確認させていただきます。硬貨を機器で計数している間、局内・店舗内でお待ちいただくこととなりますので、時間に余裕を持ってお持ち込みいただきますようお願いいたします。また、受付窓口の状況などからお受けできない場合もございますので、ご了承下さい。なお、変形硬貨、外貨、粘着物が付着した硬貨、水や油で濡れた硬貨は、計数する機器の故障や硬貨詰まりが発生するため、事前に取り除いてお持ち込みいただきますようお願いいたします」

その上で、硬貨での義援金振込みについて次のようにコメントを寄せた。

「令和6年能登半島地震にかかる被災者の皆さまに、謹んでお見舞い申し上げます。被災者に対する救援活動を支援するため、ゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口および『ゆうちょ通帳アプリ』において、通常払込みによる災害義援金の無料送金サービスを実施しております。硬貨での払込みにつきましても、同様に義援金としてお届けいたしますので、全国のゆうちょ銀行・郵便局の貯金窓口をご活用下さい」

「一日も早い復興と、被災された方々が日常の生活を一刻も早く取り戻されるよう、心よりお祈り申し上げます」とも伝え、「義援金の払込みは、ATM の場合、払込手数料がかかりますので、窓口にお持ちください」と呼びかけた。